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「顔が見えないチーム」が100億超えのトップクラブへ…ヴィッセル神戸は“日本のバルセロナ”になれるか?
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佐藤俊Shun Sato
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posted2021/08/24 11:01
![「顔が見えないチーム」が100億超えのトップクラブへ…ヴィッセル神戸は“日本のバルセロナ”になれるか?<Number Web> photograph by JIJI PRESS](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/0/5/700/img_0544c3b9bb4c6b8a66328ab97ef143f7163391.jpg)
ここ数年でJリーグ内での存在感を強めるヴィッセル神戸。なぜここまでの急成長が実現できたのか?
19年は監督が2人も入れ替わり、シーズン8位という成績に終わってしまう。20年も監督が交代し、スタイルの構築どころか安定感を欠く内容で14位に沈んだ。
今年は、古橋らの活躍で上位につけ、現在4位とACL出場も狙えるところに付けている。後半戦に向けて、古橋の穴を埋め、チーム力をさらに高めるべく大迫ら3人の補強も実現したが、最初は「またFWか」という声も多かった。3人の移籍の発表時、チームにはすでにドウグラス、田中順也、リンコンら6名のFW選手が在籍しており、“ダブつき”が懸念されたのだ。だが、藤本憲明を期限付き移籍で清水に放出し、ケニア代表のアユブ・マシカを契約解除にすることで調整を図った。
最大の課題は「失点数の多さ」
「またFWか」という声が聞こえるのも無理もない。神戸もともと前よりも後ろに課題があるチームだからだ。20年度の失点は59点で、優勝した川崎の失点(31点)のほぼ2倍というデータもある。今年は井上潮音を獲得したが、センターバックやボランチの補強こそが順位を押し上げるためには必要になるはずだが、そこにはなかなかメスが入らない。
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もちろん課題に限らず、前線の競争が激戦化するのは良い傾向だ。大迫は間違いなく、チームのためになるだろうし、武藤も代表復帰を狙い、パフォーマンスの質を上げてくるだろう。ただ、すぐにチームにフィットするかどうかは未知数。これまで古橋の個を活かす戦術で戦い、結果を出してきたが、今後彼らを活かすためには、これまでの戦い方を変えていく必要がある。また、攻撃陣の組み合わせも考えなければならない。
誰を軸としていくのか、前線をどんなユニットでいくのか――。三浦淳寛監督は連戦を戦いながら見極め、難しい判断をしていかなければならない。
神戸の「スタイル確立方法」は合っているのか?
2018年に掲げた「バルサ化計画」は、以前ほど声高に謳われなくなった。ただ、スタイルを確立していく姿勢はクラブにとっては重要なことだ。