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5年前のリオ五輪でも対戦国にトラブル、しかも敗戦…日本のメダル獲得に「初戦は最低でも引分け」が必要な理由《サッカー》
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戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2021/07/21 11:04
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5年前のリオ五輪初戦。対戦国にトラブルがあって「有利」と言われていた中、まさかの4-5で黒星スタートとなった
五輪のグループリーグは、中2日で行なわれる。コンディショニングを考えると、南アフリカ戦に先発出場した選手、途中交代で一定時間以上プレーした選手は、試合翌日のトレーニングをリカバリーに充てるだろう。第2戦に向けてチーム全体がピッチ上で準備するのは、試合前日の24日だけになる公算が高い。
たとえば、南アフリカとの第1戦が撃ち合いとなり、引分けや敗戦に終わったとしたら──失点につながったシーンや危なかった場面をレビューしながら、24日の練習で守備の修正をしなければならない。場合によっては、先発を入れ替える必要も出てくる。
短期間で守備を修正するのは、そもそも簡単でない。失点によって自信にひびが入ると、思い切ったプレーをためらいがちになる。それがまた、ミスの遠因となる。
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実質的に1日しかない準備期間は、メキシコを意識した攻撃やセットプレーの確認に費やしたい。そのためにも、守備に課題を残して南アフリカ戦を終えてはいけない。第2戦以降の準備を円滑にするためにも、第1戦ではできるだけ失点をしないことが求められ、その先には勝点奪取がある。
第1戦で対戦する南アフリカの一部選手が、新型コロナウイルスの検査で陽性となった。18人の濃厚接触者の大部分が選手であり、試合が実施されるかどうかはギリギリまで判断が持ち越される。
初戦前のトラブル…思い出す5年前の「ナイジェリア代表」
16年のリオ五輪が思い出される。
初戦で対戦するナイジェリアが、試合が行なわれるブラジル北部マナウスに入ってこなかったのだ。航空券の発券トラブルがあったとか、航空運賃が支払われなかったとか、機体が小さくてチーム全員が乗れなかったとか、日本では考えられない理由で事前キャンプ地のアメリカに足止めされていた。マナウスに到着したのは、あろうことか試合開始の6時間半前だった。
日本は7月22日に事前キャンプ地に到着し、同31日にはマナウスに到着していた。ナイジェリア戦の2週間前から、ブラジルでトレーニングを積んできた。コンディションでは日本が有利との見方が広がっていたが、手倉森誠監督は厳しい表情を崩さなかった。選手たちには「相手の状況は、頭のなかからすべて排除しろ」と繰り返し伝えた。