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5年前のリオ五輪でも対戦国にトラブル、しかも敗戦…日本のメダル獲得に「初戦は最低でも引分け」が必要な理由《サッカー》

posted2021/07/21 11:04

 
5年前のリオ五輪でも対戦国にトラブル、しかも敗戦…日本のメダル獲得に「初戦は最低でも引分け」が必要な理由《サッカー》<Number Web> photograph by Getty Images

5年前のリオ五輪初戦。対戦国にトラブルがあって「有利」と言われていた中、まさかの4-5で黒星スタートとなった

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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 U-24日本代表の初戦が、目前に迫ってきた。

 五輪でもW杯でも、初戦が重要と言われる。

リオ五輪の決勝8チームは、初戦「引き分け以上」

 代表チーム同士が争う国際大会は、ほぼもれなく4カ国のグループリーグからスタートし、2カ国または3カ国が決勝トーナメントへ進出する。過去の国際大会から判断すると、グループリーグ突破には少なくとも勝点4をあげたい。具体的には1勝1分1敗ということになり、初戦でつまずくと「もう負けられない」といったプレッシャーがのしかかってくる。第2戦、第3戦に追い詰められた状態で臨まないためにも、多くのチームは「初戦は最低でも引分け」をノルマにする。負けないことを最優先としつつ、勝点3奪取の可能性をうかがっていく。

 16年のリオ五輪を振り返ると、決勝トーナメント入りした8チームは、すべて初戦で勝点1以上を獲得している。18年のロシアW杯でも、決勝トーナメントに進出した16チームのうち15チームまでが、白星スタートか引分け発進だった。唯一の例外は、日本に1対2で敗れたコロンビアだった。

 もちろん、グループ内の力関係は考慮しなければならない。

 初戦で対戦する相手が格上なら、「引分けでも十分」と考えることができる。勝利をつかむことができれば、2戦目以降へ大きなアドバンテージを得られる。

 一方、第2戦と第3戦により難しい相手が控えている場合は、第1戦での勝点3奪取が必須となる。森保一監督率いるU-24日本代表は、第2戦でメキシコと、第3戦でフランスと対戦する。どちらも格下ではない。メキシコは五輪に好チームを送り込むのがいつものパターンで、W杯出場経験を持つGKギジェルモ・オチョアがオーバーエイジとして加わっている。フランスはメンバー編成に苦慮したが、オーバーエイジに実績のある選手を指名した。

 そう考えると、南アフリカとの初戦は、勝点1では足りない。

 勝たなければいけない試合である。

初戦で「できるだけ失点を抑えるべき」理由

 初戦が重要な理由が、もうひとつある。

【次ページ】 リオ五輪でもあった「初戦トラブル」

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手倉森誠
森保一
オリンピック・パラリンピック
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