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松井秀喜「なんであんなに飛ぶのか不思議」…大谷翔平とAロッドに共通する“普通とは違う”ホームラン量産のポイントとは
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鷲田康Yasushi Washida
photograph byGetty Images
posted2021/07/09 17:04
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7月9日現在、32本のホームランを放ち、メジャーリーグ本塁打王争いで独走する大谷翔平
マイク・トラウト「あの打球は何なんだ!」
松井さんがAロッドに感じたように「ボワーンと」振っているように見える割りには、ヘッドにボールを乗せてバットのしなりを使ったスイングで打球が飛ぶ。
「あの打球は何なんだ!」
エンゼルス移籍1年目のキャンプで、大谷の左中間への打球を見たマイク・トラウト外野手がそう語っていたという話を聞いたことがある。
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当時はしなりのあるアオダモ素材のバットを使い、そのバットの特性と独特のスイング感覚が生んだ打球だったと思うが、まさに大谷のバッティングの特性とはそこにあるのだ。
そして今季はそこからさらに進化を遂げた。
驚異的な本塁打量産のポイントとは
度重なる故障禍に襲われながら、その間に肉体的にもビルドアップしパワーをつけた。さらにバットも硬めで弾きのいいバーチ(樺)素材のものに変えて、天性の運ぶ感覚だけではなく、スイングパワーでボールを弾き返して本塁打を打つ技術も身につけた。
その結果、逆方向だけでなく右方向に引っ張ったときも強い打球が打てるようになったことが、驚異的な本塁打量産のポイントになっているように見える。
6月8日(日本時間9日)に放った17号は低めのチェンジアップをセンターバックスクリーン横の右中間席中段まで運んだ自己最長の143mだったが、まさに大谷が持つ天性の飛ばす感覚が生んだ打球だった。
そして松井さんを抜いた32号や自己最速の時速約189kmの打球速度を記録した6月28日(日本時間29日)のヤンキース戦でのライナーの26号などは、まさにさらに進化した大谷を象徴する本塁打だったということができるだろう。
「大リーグの常識を変えた唯一無二の存在です。今後もファンの方々や少年たちの夢を背負い、シーズンを乗り切ってほしい」
投打の二刀流に挑戦するだけでなく、同じ打者として大リーグという舞台でもトップレベルの結果を残す大谷に松井さんはこう語りかけた。
大谷はまさに松井さんですら想像できなかった時代の扉を押し開けたのである。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。
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