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中西哲生に聞く「OA3人の何がスゴい?」「久保建英や三笘薫の起用法は?」知っておくべき“4つのポイント”
posted2021/06/23 17:01
text by
中西哲生+戸塚啓Tetsuo Nakanishi + Kei Totsuka
photograph by
AFLO
東京五輪に臨むU-24日本代表のメンバーが発表された。
サプライズはなかっただろう。直近のテストマッチでの選手起用が、ほぼそのまま反映されたチームとなった。
7月22日に行なわれた会見で、森保一監督は「金メダルを獲得するために、現時点でのベストなメンバーを選んだ」とし、選考のポイントには「個の強さ」と「ユーティリティ性」をあげた。
「局面を打開できる、守れるという個の強さを持っていること。それプラス、チームのために走って戦える。それから、スペシャルなものもありながら、過密日程、酷暑での戦いが予想されるので、複数ポジションをこなせる選手たちを選んだ」
森保監督が選んだチームは、どのような強みを持つのか。開幕までに突き詰めたいポイントはどこか。久保建英のプレー解説でお馴染みの中西哲生氏に分析してもらった。
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6月5日のU-24ガーナ戦と12日のジャマイカ戦に、森保監督は東京五輪を想定したメンバーで臨んだと感じました。このタイミングでオーバーエイジ(OA)の3人を招集できたのだから、U-24世代といち早く融合させたいとの狙いがあった。その2試合での選手起用から判断すると、およそ予想どおりの18人になったと思います。
その1)吉田・酒井・遠藤がもたらす「3つの効果」
吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航のOAは、精神的、技術的、戦術的に大きな上積みをもたらすでしょう。
6月の活動に臨んだ吉田は、「いくらキャリアや経験があっても、実際に選手に見て、感じてもらわないと認めてもらえない。自分のパフォーマンスで評価されたいので、違いを出さなければいけないというプレッシャーを感じている」と話していました。彼は08年の北京五輪に世代の一員として、12年のロンドン五輪にOAで出場している。どちらの立場も経験しているので、受け入れる側の東京五輪世代の気持ちが分かり、OAが背負うべき責任も理解している。自分で自分にプレッシャーをかけて、そのなかで明らかな違いを見せた。真のプロフェッショナルです。
吉田だけでなく酒井にも、遠藤にも、同じことが言えます。世代の選手として五輪に出場したことのある彼らは、非常に高い意識でチームに合流し、いい緊張感をもたらしている。
精神的な効果については、試合の入りかた、大会の入りかたに表われてくるはずです。