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中西哲生に聞く「OA3人の何がスゴい?」「久保建英や三笘薫の起用法は?」知っておくべき“4つのポイント”
text by
中西哲生+戸塚啓Tetsuo Nakanishi + Kei Totsuka
photograph byAFLO
posted2021/06/23 17:01
森保監督が選んだチームは、どのような強みを持つのか。開幕までに突き詰めたいポイントはどこか。久保建英のプレー解説でお馴染みの中西哲生氏が徹底分析する
16年のリオ五輪では、ナイジェリアとの初戦に4対5で敗れました。10分までに2失点してしまい、それでも同点に追いついたものの、前半は2対3で折り返します。後半も開始早々に失点し、つねに追いかける展開で競り負けたのでした。
試合の入りがうまくいかず、大会の入りかたも黒星スタートとなってしまった。短期間でチームを立て直すのは難しく、1勝1分1敗でグループステージ敗退となったのでした。
リオ五輪のチームで主将を務めていたのは、OAのひとりである遠藤です。5年前の経験を彼が伝えることで、初戦の重要性をチーム全体が共有できる。12年のロンドン五輪で白星スタートを切り、ベスト4まで勝ち上がった吉田と酒井の経験も合わせれば、今回のチームがスキを見せることはないでしょう。
“歴代最高の2列目”を最大限に活かせる
戦術的な効果は、彼らのポジションにあります。
これまで同様に4-2-3-1のシステムを前提にすると、吉田は右センターバック、酒井は右サイドバック、遠藤はダブルボランチの右でプレーするでしょう。彼ら3人が後方にいることで、歴代最高とも言われる2列目の5人──堂安律、久保建英、三笘薫、相馬勇紀、三好康児は、思い切った仕掛けができる。
おそらくは2列目右サイドに堂安が、トップ下に久保が起用されるでしょう。彼らの後ろに遠藤と酒井が構えているのは大きい。このふたりのOAは、ネガティブトランジションの局面で次の展開を予測し、強度の高いプレーでボールを回収することができるからです。
その2)旗手と三笘はあえて“先発に固定せず”に使い分けも?
右サイドと中央は、攻守ともにスキがない。だとすれば、ポイントは左サイドになる。
左サイドバックは中山雄太と旗手怜央、2列目の左サイドは相馬と三笘の争いで、どちらのポジションも先発は固まっていません。相馬と三笘は先発でも途中出場でも力を発揮できるので、先発を固定せずに使い分けていくことも考えられるでしょう。
疲労を分散させるためには、左サイドに限らずどのポジションも選手の使い分けは大切です。いずれにしても、左サイドの練度を高めていかなければならない。