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「何や、アイツら」スペイン代表との卓球バトル、忘れられない“激痛ももかん”…FC東京コンビ東慶悟&永井謙佑が語るロンドン五輪
posted2021/06/23 11:06
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
AP/AFLO
同じFC東京、同じロンドンオリンピック世代。
東慶悟と永井謙佑は、とにかく息が合っている。連係のみならず、ほぼ今シーズンの同時期にJ1・300試合出場を達成したこともそう。東は5月1日の横浜F・マリノス戦で、永井は5月22日のガンバ大阪戦で。
そんな2人が、世間の視線を集めたのが9年前のロンドンオリンピック。準決勝まで勝ち上がり、1968年のメキシコオリンピック以来最もメダルに近づいた大会となった。東京オリンピックに出場する18人が決まり、本大会に向けて準備が進んでいくなかで、2人にはロンドンの思い出をたっぷりと語り合ってもらった。
【2012年ロンドン五輪のスコア】
《グループステージ》
7/26 対スペイン ○1−0
得点:大津
7/29 対モロッコ ○1−0
得点:永井
8/1 対ホンジュラス △0−0
得点:なし
※グループD1位通過
《決勝トーナメント》
8/4 対エジプト ○3−0
得点:永井、吉田、大津
8/7 対メキシコ(●1−3)
得点:大津
8/10 対韓国(●0−2)
得点:なし
◇◇◇
――大会前の壮行試合ニュージーランド戦は1−1と引き分けて、試合後にはスタンドからブーイングが飛びました。大会前は決して期待度が高かったとは言えなかったと思います。
東 期待されていないなっていう感じはありましたよ。だから反骨心みたいなものはあったし、逆に言うとプレッシャーを感じることもそんなになかった。
永井 そうそう。見返してやろうぜっていう気持ちは強くあった。自分としてはそこがモチベーションにもなりましたね。
東 直前のテストマッチ(ベラルーシ戦、メキシコ戦)で戦い方がはっきりしたよね。それまではアジアのチームと試合することが多くて、欧州や北中米のチームと戦うこともそんなになかった。レベルの高い相手とどう戦うかは2試合で見えたと思うし、メキシコに勝ったことで意外にやれるんじゃないかっていう自信もつかめた。
永井 それまでは左サイドでプレーしていたけれど、メキシコ戦で俺が1トップ、東選手がトップ下に入って、うまくいった。この形はアジア大会でもやったりしていて、いいイメージが自分たちのなかにもあった。
東 大宮アルディージャのときにトップ下をやらせてもらっていて、攻撃も守備もどっちにも顔を出すイメージで。
永井 オーバーエイジ(OA)に吉田麻也選手と徳永悠平選手が入って、守備が安定したことも大きかった。吉田選手は関塚隆監督と積極的にコミュニケーションを取ってくれていたし、北京オリンピックやA代表とかいろいろと経験を持っているからチーム的にも凄く助かった。
東 心強いところはあったよね。