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「消火器で発煙筒を…」「お前、忍者か!?」坂田大輔が知るギリシャサッカーの“ヤバさ”【香川真司にエール】
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杉山孝Takashi Sugiyama
photograph byGetty Images
posted2021/03/06 11:00
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坂田大輔はギリシャ時代、ELでマンチェスター・シティとも対戦した
スタジアム入りするバスを平手で激しく叩いて……
スタジアムに入るバスを平手で激しく叩いて激励するサポーターは、腹の底から出す声で相手を威圧する。ダービーは格別ではあるが、普段の試合から盛り上がりは想像を超えていたという。
「19時キックオフだったら、19時10分、20分まで消火器で発煙筒を消したりして、毎回試合開始が遅れる。毎試合花火を打ち上げて、大変なイベントですよ。これはPAOKもイラクリスも、どのチームも一緒です。ギリシャはそういう国で、時間通りに試合が始まることは絶対にありません」
スタンドも日本、さらに欧州の他国とも様子が違う。
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「アウェイチームのサポーターは入れないんですよ。ぐるっと1周、スタンドにはホームのファンだけです。ヨーロッパリーグ(EL)のような相手のサポーターも入れなければいけない試合はありますが、記憶している限り、国内の試合でアウェイのファンが入ったことは一度もありません」
アウェイチームのユニフォームを人形に着せて燃やす!
イタリアなどでさえ、ごくわずかながら席を確保し、金網や空席でホームのファンから隔離してアウェイサポーターを収容する。ギリシャの熱狂、あるいは危険性は、それ以上ということかもしれない。
「一度、ゴール裏に珍しくアウェイのユニフォームが見えたことがありました。『あれ、今日はアウェイから入ってきたのかな』と思っていたら、それが燃えたんです。どうやら人形にでも着せて、試合前に燃やす、というイベントだったらしくて(笑)」
加入の翌月に、坂田さんはイングランドに乗り込んでマンチェスター・シティとヨーロッパリーグを戦っている。フーリガンの悪名が知られる"サッカーの母国"だが、「熱さのレベルが全然違います。イングランドは、やはり紳士でした。ギリシャは……野蛮です(笑)」。
現在のコロナ禍のギリシャでは外出などが広く制限され、サッカーも無観客で行われている。今季は無理だろうが、報じられる通りに香川の契約が1年半であるならば、ギリシャの熱狂を体感できる日が来るかもしれない。「黄色い壁」と呼ばれるゴール裏が空気を震わすドルトムントを知る香川にとっても、未体験の世界だろう。