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11万人以上が目撃したTL開幕戦。
W杯がラグビー界にもたらした変化。
posted2020/01/14 17:00
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Matsuo.K/AFLO SPORT
勝負のシーズンが、ついに動き出した。
ラグビートップリーグの2020シーズンが、1月12日に開幕したのである。
昨秋のラグビーW杯の余熱は、トップリーグへ持ち込まれた。開幕戦の8試合合計の観客は延べ11万6737人で、前シーズンの8万3719人をおよそ3万3000人上回った。
W杯前の'18-'19シーズンには、観客が1000人を割る試合さえあった。リーチマイケルの東芝と田村優のキヤノンが激突した一戦でも、1214人の集客にとどまっていた。
両チームともにリーグの下位に低迷しており、どちらにとっても地元から遠い名古屋での試合だった。
一方で'18年12月15日開催のこの試合は、シーズンの最終戦でもあった。W杯前のリーグ戦の、ラストマッチだったのだ。空席ばかりのスタンドは、一般的な関心の低さを表わしていた。
稲垣啓太と福岡堅樹がスタメン出場したパナソニックと、アマナキ・レレイ・マフィのNTTコムの一戦も、2618人の観客しか集めていない。“笑わない男”と“日本のフェラーリ”と、“イケメンのイクメン”が先発し、パナソニックはヴァルアサエリ愛と田中史朗も途中出場したが、サッカーJリーグでもお馴染みのニッパツ三ツ沢球技場はガラガラだったのだ。
2万人超えが2試合は史上初。
それがどうだろう。
1月12日に行われた神戸製鋼対キヤノンの2万3004人は、トップリーグの観客動員で歴代7位に食い込む。東芝対サントリーの2万1564人は同8位だ。2万人超えの試合が同じ節に2試合記録されたのは、2003年から続くトップリーグの歴史で初めてのことだ。
関東地方の天気予報には数日前まで傘のマークがついていたが、秩父宮も熊谷もこの日は雨に降られなかった。1月はプロ野球もJリーグもシーズンオフで、お客さんを呼び込みやすいところもある。そういったプラス材料を考慮しても、ポストW杯の第一歩としては申し分ないものだったと言っていい。