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「次の奥川恭伸」候補を熊野で発見。
遊学館1年・土倉瑠衣斗は逸材だ。 

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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photograph byHideki Sugiyama

posted2019/12/02 08:00

「次の奥川恭伸」候補を熊野で発見。遊学館1年・土倉瑠衣斗は逸材だ。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

夏の甲子園を沸かせた関東一、鶴岡東両校の新チームが秋の熊野で見られる。まさに「秋の甲子園」なのだ。

期待の速球と、それ以上の変化球。

 軸足(右足)に一度はっきり体重を乗せて踏み込んでくるドッシリタイプだが、膝は折れていない。ギリギリの「使用量」だ。

 テークバックで右腕がかつぎ気味に見えるが、90度以下の角度にはなっていない。これも、肩・ヒジに負担がかからない範囲で右腕に力が溜められるギリギリの角度だ。

 この日の土倉投手、山本監督が期待する速球より、変化球のほうに非凡さがはっきり見てとれた。

 速球と変わらない決然とした腕の振りから、変化点がギリギリ打者に近いスライダーとチェンジアップ。 

 打者が「まっすぐだ!」と振り始めてからキュッと曲がり沈む動きは、本当の意味の「変化球」だ。

 曲げようという意思が腕の振りに見えてしまう変化球は、ちょっと気の利いた打者には、捨てられるか、逆に狙い打ちされる。しかしそれがない。

 とはいえ、ランニングフォームから見てとれるようにボディバランスは悪くないが、瞬間的なスピードがまだ物足りない。走りや一瞬の動きに、キュッとした感じ……動きのキレが出てくれば打も投も、走さえもぐっと上がってくるはずだ。

奥川が巣立った北陸にまた1人逸材が。

 あと2年。

 星稜・奥川恭伸がプロに向かって巣立っていった「北陸」の高校野球に、新しい逸材の卵がまた1人、まもなく孵化しようとしている。

 冬をまたいで、明けて2020春。

 この熊野の2日間で腕を磨いた選手たちの中から、殻を破って大きく姿を変えそうな予感が伝わる快腕、スラッガー候補が何人も。

 後半の次回は、そんな選手たちを総ざらいしてみたい。

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