欧州サッカーPRESSBACK NUMBER

南野拓実の戦術眼も急成長!
CLで見せたロビングパスの妙技。 

text by

中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

PROFILE

photograph byUniphoto Press

posted2019/10/29 11:45

南野拓実の戦術眼も急成長!CLで見せたロビングパスの妙技。<Number Web> photograph by Uniphoto Press

リバプール、ナポリとの戦いに身を投じている南野拓実。CLの舞台でさらに自らを向上している。

ナポリ戦でもパスを引き出した南野。

 攻撃が膠着すると、「もっと相手守備ラインと中盤の間にあるバイタルエリアにパスを引き出すべき」と要求されがちである。

 ファンが試合を追いながら「相手のDF間が空いているじゃないか」「あそこにフリーの選手がいるのに何でパスを出さないんだ」というヤキモキする気持ちを持つのもわかる。だが、そこを狙ってくることは相手選手もわかっているから、当然注意を払って守ってくる。

 そのスペースに入りこんでパスを引き出すのは簡単なことではない。だからこそパスを受けるだけでなく、その後の攻撃につなげ、相手守備を混乱に陥れる選手というのは、どんなチームにおいても貴重な存在として受け止められるのだ。

 ナポリ戦でトップ下の位置でフル出場した南野拓実は、そんな“消されたスペース”にタイミングよく入り込み、味方からのパスをうまく引き出すプレーを見せていた。

 パスはタイミングが合わないとうまくいかない。どれだけ自分がフリーになっていたとしても、ボール保持者がパスを出せる状況でなければボールは出てこない。味方それぞれがどんなタイミングと位置取りからだとパスできるかを知っていなければならない。

 南野はそのタイミングを常に探りながら、次の攻撃につなげられる位置取りへと微調整を繰り返していたのだ。

 パスが通っても、それで“おしまい”ではない。次の攻撃につながらなければ怖さはない。ボールを受けたときのスペースが狭かろうと、広かろうと、最適なタイミングでドリブルやパスで相手が守りにくいところに運べるスキルを南野は身につけている。南野にパスが入ると、ザルツブルクの攻撃が加速度を上げられるのはそのためだ。

最近見せる興味深いロビングパス。

 また最近の南野の動きで興味深いのは、この守備ライン裏へのポンッと蹴りこむロビングパスだ。

 味方に届くのか、あるいは相手が先にクリアするのかという“フィフティーフィフティー”の位置に落としていく。パス精度という言葉で語られるように、パスとは常に味方に届くように出さなければならないと思われがちだ。もちろん、ボールをつなぎチャンスメイクしている局面では正確なパスを味方に通さなければならない。

 だが、味方に確実には届かないかもしれないが、相手選手が守ることが難しい位置に通すことができれば――相手が先にボールに追いついたとしても、そこで少しでもボール処理に時間がかかったら、プレスで奪い返してチャンスにつなげられるというわけだ。

【次ページ】 地元紙からも高い評価を受けた。

BACK 1 2 3 4 NEXT
南野拓実
ザルツブルク
ナポリ
カルロ・アンチェロッティ
欧州チャンピオンズリーグ

海外サッカーの前後の記事

ページトップ