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南野拓実の戦術眼も急成長!
CLで見せたロビングパスの妙技。
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byUniphoto Press
posted2019/10/29 11:45
リバプール、ナポリとの戦いに身を投じている南野拓実。CLの舞台でさらに自らを向上している。
ザルツブルクでプレーする価値。
まだザルツブルクには大舞台での経験が少ないのかもしれない。踏んだ場数、経験とは数字にだけ表れるものではない。どのようにプレーし、それをどのように積み重ねていくのかのプロセスがなければ本当の力にはならない。
今季CL3試合でヘンク、リバプール、ナポリ相手に素晴らしいプレーを見せているが、今の南野があるのは、これまでの南野があるからだ。そしてこれまで以上の南野になるために、今をどのように取り組んでいくかが大事になる。
ザルツブルクでの活躍を報じられても、「まだオーストリアリーグでやっているの?」「4大リーグに移籍すればいいのに」なんて声が聞こえるのはあまりにもったいない。
ザルツブルクは昨シーズン終了時のUEFAクラブランキングで28位だ。昨季CL準優勝のトッテナムが19位である。そしてCLで躍進を見せたアヤックスが31位、欧州の強豪と思われているラツィオが36位、ACミランが53位。彼らよりも上に位置するクラブであることを忘れてはいけない。
4大リーグのクラブであればどこでもオッケーというわけでもないはずだ。
ここ数年オーストリアリーグのレベルも上がってきている。今季もELでヴォルフスベルガーがブンデスリーガのボルシアMGに4-0で快勝している。他の可能性を望んだこともあったかもしれないが、南野がザルツブルクで戦ってきた道に間違いがあるはずがない。
ナポリとのリマッチ、希望はある。
ザルツブルクは11月5日にナポリでの試合に臨む。決勝トーナメント進出を狙うためにはそこでの勝利が必要になる。
「困難な課題になるだろう。だが我々はまだ生きている。チームには多くのクオリティがあるんだ。希望は、ある!」
マーシュは力強く未来を見据えている。「いい経験になりました」と言うためにプレーするわけではない。渇望する次のステージへのドアを自力で開くために、南野は、そしてザルツブルクは強い決意を持って戦う。