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菅原由勢は早くもAZの人気者。
三枚目の弟キャラで心を鷲掴み。
posted2019/10/30 11:40
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
Getty Images
日本代表の試合などでも見られるが、サッカーの試合ではキックオフ前のスタメン紹介や途中交代の際、モニターに選手個人を紹介する数秒の映像が流れることがある。
そのほとんどは、半身になり腕を組みながらカメラに目線を送るなどというものだ。作る側としては戦闘的であり、カッコイイイメージを意図しているのだろう。
だが、AZ(オランダ)の菅原由勢の映像はちょっと違う。数秒の間に寿司を握るポーズをとったり、和食屋の大将になってみたり。日本をアピールしてはいるが、ニの線というよりは三の線。動きのコミカルさにクスッと笑ってしまうのだ。
「クラブから寿司を食べる映像などをとりたいって言われて、合計4パターンあります。日本らしくやれればと思ったら、なんか変な感じになってますけど(笑)」
本人としても、決して納得の出来ではないようだ。
「プレーもそうですけど、ピッチ外でも認めてもらえるように、自分という選手の存在価値を示すだけだと思います」
紹介ビデオの話題だったのに、そう締めくくったのは菅原の真面目さだろう。
性格ゆえか、出場すると大声援が上がる。
そんなクラブのおふざけに付き合えるだけのことはあって、菅原はとにかく明るい。試合が終わればチームメイトやベンチのスタッフともふざけ合い、ミックスゾーンの警備員とさえがっちり握手を交わす。
そんな明るさが伝わっているのだろう、出場する際にはスタンドから大声援が沸く。早くも、サポーターのハートは掴んだ様子だ。愛されキャラだと思う、とぶつけるとこう返ってくる。
「そういう自覚はないんですけどね。この性格を認めてもらってるとは感じますけど、サッカー選手なので結果を出していけばもっとサポーターからも愛されると思います」
あくまでいちプレーヤー、大事なのは結果だと真剣な表情だ。