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育成ドラフトから一軍出場は約26%。
千賀滉大、甲斐拓也ら全選手リスト。

posted2019/10/17 07:00

 
育成ドラフトから一軍出場は約26%。千賀滉大、甲斐拓也ら全選手リスト。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

2018年日本シリーズMVPの甲斐拓也。育成ドラフト6位から球界の顔に上り詰めた選手だ。

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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Hideki Sugiyama

 ドラフト会議と言えば、まばゆいスポットライトを浴びる中、各球団のトップが有名選手を指名していくセレモニーという印象がある。確かに冒頭はそうなのだが、指名がだんだん下位になってくると、注目度は下がっていく。時間がくれば地上波のテレビ中継は終わるが、それでも選手指名は続いていく。

 今のドラフトは「二層構造」になっている。正規のドラフトと育成ドラフトだ。育成ドラフト選手の指名もその場で行われるが、その報道は小さく、一般紙では翌日の朝刊に小さく載るだけだ。

 それでもその指名を心待ちにしている選手がいる。独立リーグ球団の事務所では選手と関係者が緊張の面持ちで待機し、名前が呼ばれると地方新聞などのメディアが写真を撮りインタビューをする。その風景は正規ドラフトと変わらない。

ドラフト外廃止と育成枠の設置。

 育成選手制度は、2005年に導入された。

 日本のプロ野球では1965年にドラフト制度が導入されたが、併せて「ドラフト外」での入団も認められていた。しかしこの制度を利用して、意中の選手に他球団からのドラフトを断らせてドラフト外で選手を入団させるような「ドラフト破り」が横行した。そのため1991年に「ドラフト外」は廃止。このときに支配下選手の上限は60人から70人に増員された。

 しかしMLBなどアマ選手の選択肢が増える一方で、社会人野球の「企業チーム」が激減するなど、アマ球界の動向が大きく変化した。またシーズンの試合数も増加する中で、支配下外の選手の保有の必要性を訴える球団が2005年「育成選手枠」の設置を働きかけた。

 育成選手に定員はない。二軍の試合には出場できるが、支配下選手に再登録されない限り、一軍の試合には出場できない。

 育成ドラフトも2005年から始まった。育成ドラフトの対象は原則として正規ドラフトと同じだが、現在は社会人野球の選手は原則として指名しないことになっている(例外はある)。

 育成ドラフト選手は、3桁の背番号をつける。これを2桁の背番号に変更する=支配下登録されるのは至難の業だ。そこからレギュラーになるのはさらに狭き門ではあるが、そういう選手も出てきている。

【次ページ】 西武の育成指名はわずか8人。

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