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涙のU-20W杯を経てJ2山口で修行。
川崎の星・宮代大聖は刺激を求めた。
posted2019/08/10 08:30
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph by
J.LEAGUE
約2カ月前。遠く離れたポーランドの地で、1人の男は自分の力のなさに悔し涙を流していた。
U-20ワールドカップ決勝トーナメント1回戦・韓国戦。グループリーグを無敗で突破する快進撃でノックアウトステージに進出したU-20日本代表は、守備的な戦いを選択してきた相手に対して終始押し気味に試合を進めた。
しかし、チャンスをことごとく決めることができず、終盤に自分たちのミスから失点。世界の頂点を目指した戦いはベスト16で終わりを告げることになった。
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この試合、前線に入った宮代大聖には大きな期待がかかっていた。
アタッカーである田川亨介や斉藤光毅が怪我で戦線を離脱した状況も重なり、グループリーグで2得点を奪っていた宮代の得点力に頼る部分が大きかったからである。
一発のチャンスを決めきれなかった。
しかし、試合後には悔しさだけが残った。後半に迎えた決定機は惜しくも左のポストに阻まれ、最後までゴールを奪うことはできなかった。
「自分の目指している選手像というのは、チームが苦しいときに決めきる選手。それを理想像としている中で、今日、少ない一発のチャンスを決めきれなかったのは今後の課題でもある。そういう面では、日本に帰ってもっともっと練習をしないといけないと思いました」
日本に帰国後、所属先の川崎フロンターレに戻った宮代は、新たな意識で目の前のことに取り組むようになった。