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涙のU-20W杯を経てJ2山口で修行。
川崎の星・宮代大聖は刺激を求めた。
text by

林遼平Ryohei Hayashi
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/08/10 08:30

レノファ山口はステップアップの場として注目を集めつつあるクラブでもある。宮代大聖もその1人となれるか。
アシストはしたが満足感はない。
攻撃的なサッカーを志向する山口に加入するとすぐに出番はやってきた。移籍決定から4日後の第23節・アルビレックス新潟戦でさっそく最前線の位置でデビューを飾ったのである。
そこから4試合連続で先発出場。出番を求めて移籍を決断した宮代にとっては、理想的な形で試合に出続けることができている。
だが、本人の中では現状に決して満足していない。
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第25節・横浜FC戦ではアシストこそ記録したものの、ここまでゴールはゼロ。前節・水戸戦でも果敢な突破は見られたが、“結果”という面ではチームに貢献することができなかった。得点が求められるポジションだからこそ、結果が付いてこない状況に焦りがないわけではない。
「試合に出られていることはいちサッカー選手としてポジティブな要素だけど、結果が出ていないのですごく悔しい思いをしている。またチームの結果もそこまで出ていないので、満足できる結果を残せているとは言えない。
やっぱり結果を出さないとすぐに代えられてしまうと思いますし、そこは常に危機感を持って自分はやっているつもり。次にチャンスが来た時に“できるだけ結果を出す”ということは自分の中で強い意志を持ってやらないといけないと思います」
試合に出ることで学べることが多い。
苦しんだ分だけ選手として成長することができる。そのことを宮代は身をもって経験している。
「連戦で90分走り切るのは簡単ではないし、難しい部分もある。とはいえそれは試合に出ないと経験もできないし、そういう状況でも結果を出さないと試合にも使ってもらえない。そういったタフさなど、試合に出ることで学べるところは多いし、すごく成長できる場だと思います」
ストライカーは最も勝利への責任を負うポジションだと言っていい。
U-20W杯でチームを勝利に導けず悔し涙を流した男は、それを誰よりも理解している。期限付き移籍の期間は半年。山口で自分がすべきことは1つしかない。