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有馬記念でブラストワンピース戴冠。
池添「苗字を有馬に変えましょうか」
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![島田明宏](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/d/c/-/img_dc43f384ba4fc9b5cf3d05b268d3384f15734.jpg)
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2018/12/25 11:15
![有馬記念でブラストワンピース戴冠。池添「苗字を有馬に変えましょうか」<Number Web> photograph by Yuji Takahashi](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/c/b/700/img_cb65989a61b35ebbc85acf9f8b30a7d9152680.jpg)
有馬記念4勝は単独トップ。池添謙一が年の最後に外国人騎手の連続GI勝利をストップさせた。
池添「苗字を有馬に変えましょうか」
勝ったブラストワンピースは、シルクレーシングが所有するノーザンファームの生産馬で、所属は関東の厩舎。さらに、中間はノーザンファーム天栄で過ごす3歳馬というところまで、牝馬三冠とジャパンカップを圧勝したアーモンドアイと同じだ。
今年の3歳馬による古馬混合GI勝利は、マイルチャンピオンシップ(ステルヴィオ)、ジャパンカップ(アーモンドアイ)、チャンピオンズカップ(ルヴァンスレーヴ)につづく4勝目で、1984年のグレード制導入以降で最多。世代がハイレベルであることをあらためて証明した。
ノーザンファームは同牧場の年間最多記録を更新するGI15勝目。
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池添は、岡部幸雄、田原成貴、オリビエ・ペリエ、武豊と最多タイの有馬記念3勝だったのを単独トップの4勝とし、「苗字を有馬に変えましょうか。有馬謙一に」とジョークを飛ばした。
「この馬はGIを獲れると言いつづけてきて、そのなかでダービー(2番人気5着)、菊花賞(1番人気4着)と負けていたので、何としても勝ちたいと思っていた。今日は、スタートをしっかり出して、ポジションをとりに行こうと自分のなかで決めていました。馬場が渋ったのも、馬力のある馬なので大丈夫だろうと思っていました」
大竹調教師はのべ23頭目で初GI。
管理する大竹正博調教師は、開業10年目の48歳。のべ23頭目の挑戦でGI初勝利をマークした。これまでの最高は、ルージュバックでの2015年オークス2着だった。
「獲れるであろう馬がうちの厩舎にいたのは事実です。表彰式のとき、天気が悪いので照明が灯っていて、まったく見たことのない景色でした。自分でも泣くかなと思っていたのですが、意外と『やったー』という気持ちのほうが強かったですね」
父の大崎昭一元騎手が初めてGI級勝利を挙げたのも、1967年の有馬記念(カブトシロー)だった。また、大竹師のホースマンとしてのキャリアは、平成最初の有馬記念を勝ったイナリワンが所属した鈴木清厩舎で平成9(1997)年に厩務員になったことからスタートした。その彼が調教師となり、平成最後の有馬記念を制したのだから、面白い。