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有馬記念でブラストワンピース戴冠。
池添「苗字を有馬に変えましょうか」
posted2018/12/25 11:15
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
やはり今年の3歳馬は強かった。
平成最後のグランプリとなった第63回有馬記念(12月23日、中山芝2500m、3歳以上GI)を、池添謙一が乗った3番人気のブラストワンピース(牡3歳、父ハービンジャー、美浦・大竹正博厩舎)が優勝。有馬記念単独最多の4勝目を挙げた池添は、外国人騎手による連続GI勝利を10週でストップした。
2着は1番人気のレイデオロ、5番人気に支持された障害界の絶対王者オジュウチョウサンは、見せ場はつくったものの、9着に敗れた。
細かい雨が降りつづき、有馬記念のひとつ前の第10レース直前、芝コースの馬場状態が良から稍重へと変わった。
まずはオジュウチョウサンが先頭。
ゲートが開き、速いスタートを切った武豊のオジュウチョウサンが、まず先頭に立った。10万人を呑み込んだスタンドが大歓声で揺れた。
「1番枠だったので、スタートがよければ先手を主張してもいいと思っていた。馬の状態もよかったし、自分としては、やりたいレースをすることができた」と武。
1周目の3、4コーナーを回りながら、14番枠から出た川田将雅のキセキがハナを奪い、単騎逃げの形に持ち込んだ。1000m通過は推定60秒8。馬場状態を考えるとやや速い。が、キセキは、溜め逃げを打つタイプではなく、後続になし崩しに脚を使わせて消耗戦に持ち込み、底力で勝負する馬だ。これがキセキの形と言える。
オジュウチョウサンは、そのキセキから2馬身ほど離れた3番手の内につけた。
「馬場が悪く、走りにくそうにしていた。あれ以上下げて、他馬に前に入られるのは嫌だったので、あの位置で行きました」
正面スタンド前でも1、2コーナーでも、オジュウチョウサンが追走に苦労している様子はなかった。
「馬場がゆるくてノメっていた。それでも精神的に強いのか、頑張ってくれた」