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有馬記念でブラストワンピース戴冠。
池添「苗字を有馬に変えましょうか」
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2018/12/25 11:15
有馬記念4勝は単独トップ。池添謙一が年の最後に外国人騎手の連続GI勝利をストップさせた。
ブラストワンピースの力強さ。
キセキが後続との差をひろげ、向正面へ。
3コーナー手前ではキセキが5馬身ほどリードをとっていたが、外にミッキーロケットを従えたオジュウチョウサンも手応えに余裕がある。
3、4コーナー中間で武がゴーサインを出した。オジュウチョウサンはグーンと加速し、キセキとの差を詰める。ラスト400m手前で左ステッキが入り、直線へ。キセキとの差は3馬身ほどだ。さらに脚を伸ばし、ラスト200m地点までは追いつきそうな勢いだったが、外から来た馬たちにかわされて行く。
「最後は一瞬『おっ』と期待を抱ける手応えだった。今日のこのメンバーを相手に、立派でした。4コーナーでの走りは、乗っていて感動しました。障害の絶対王者が、あえて平地の有馬記念に出走して、結果は残念でしたが、今日の走りでファンの方々の応援に応えることができたと思います」
中団の後方から伸びてきたブラストワンピースが、坂を上り切ったラスト100m付近でキセキをかわした。そのまま力強くストライドを伸ばし、外から迫るレイデオロを封じ、先頭でフィニッシュした。
勝ちタイムは2分32秒2。上がり3ハロンは36秒9もかかる、厳しいレースだった。
武豊「ナイストライだったと思います」
首差の2着がレイデオロ、3着はシュヴァルグラン、4着はミッキーロケット、5着は逃げたキセキ。何と、1着から4着までがノーザンファーム生産馬だった。
オジュウチョウサンは9着だった。それでも、ゴール前で大きく失速したわけではなく、勝ち馬とはコンマ8秒差。平地復帰3戦目、前走が1000万下だったことを考えると、大健闘と言えるのではないか。武はこう讃えた。
「今まで走ってきたメンバーより遥かに強い馬を相手に2番手を追走し、堂々と走り切った。すごい馬だなとあらためて思いました。今後、どういう路線に行くのかわかりませんが、今年の有馬記念を、彼が盛り上げましたね。ナイストライだったと思います」
長山尚義オーナーは、来年も平地に出走させる意向のようだ。