第95回箱根駅伝出場校紹介BACK NUMBER
絶対王者・青山学院大学に隙は無し。
東洋大学は「万全」で本大会を迎えられるか。
posted2018/12/27 11:00
text by
箱根駅伝2019取材チームhakone ekiden 2019
photograph by
Shunsuke Mizukami
青山学院大学
<前回大会総合優勝> 11年連続24回目
箱根駅伝5連覇、史上初2度目の大学駅伝3冠へ。
王者・青山学院大学に死角なし。
文=生島淳
箱根駅伝5連覇に、大学駅伝3冠。
今回、青山学院大学には箱根駅伝でふたつの偉業達成の期待がかかる。
しかも、大願成就の確率は極めて高い。
それを実感させたのは、12月10日に行われた16名の選手をエントリーした後に行なわれた記者発表会見である。発表前、原晋監督は、
「20名ほどの選手が、区間上位で走れる力を持っています。そのなかから16人を選ぶのは、なかなかたいへんなことですよ」
とうれしい悲鳴を上げていたが、4年生7人、3年生4人、2年生3人、1年生2人という学年間のバランスのいいエントリーとなった。
「学年のバランスが、逆ピラミッド型になっているのがベストなんです。今回はその“黄金比率”が実現できました」
と原監督は、ここまでの調整に自信をのぞかせる。
しかも、記者発表会見の場で公表される10000m上位10名の平均タイムも、青山学院大学が圧巻だった。青山学院大学の上位10人の平均タイムは28分43秒93で、この数字は参加23チーム中でトップ。青山学院大学の層の厚さ、スピードの証明であり、この数字を見ただけでも青山学院大学の優位は動かない。
どんどん高まる「各自ジョグ」。
ただし、原監督は学生に対して過度なプレッシャーをかけることはないという。
「学生たちには負けてもいいんだよ、と話しているんです。万が一、負けてしまったら私が責任を取ればいいだけの話であって、学生には箱根駅伝を目指すプロセスの中で、やり残したことがないよう、悔いのない準備をして欲しいとだけ話しています。勝敗よりも、プロセス。それが学生スポーツでは大切な価値だと思っているので」
プロセスの重視はすなわち、箱根駅伝に対する「準備力」へとつながる。
青山学院大学の強さは、まさに日ごろの準備力が支えている。
主将の森田歩希(4年)はいう。
「入学した時から比べて、『各自ジョグ』のレベルがどんどん高くなっていると思います。各自ジョグは選手の基本というか、土台を作る練習ですが、青学ではジョグとなると、スピードは各自に任されることがほとんどです。ここで攻めていく選手が結果を残すようになっています。みんなが毎日競い合うことで、競技会、そして駅伝に対する準備力がついたんじゃないかと思います」