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サッカーU-17W杯出場決定の先へ……。
森山佳郎監督はアジア王者にこだわる。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byAFLO
posted2018/10/02 11:00
オマーン代表に勝利し、来年のU-17W杯出場を確定させ喜ぶU-16日本代表の選手とスタッフたち。
キープレイヤーとなっていた唐山。
69分、左から西川の浮き球のパスで中野伸がゴールに迫ると、71分にはロングパスを左サイドで受けた西川が対峙したモハメド・ラシードをぶち抜いてマイナスの折り返し。中央で唐山が飛び込むも僅かに合わなかったが、この10分後にほとんど同じようなシーンで決勝ゴールが生まれた。
81分、西川が左サイドをスピードに乗ったドリブルで突破すると、折り返したボールがニアサイドに飛び込んだ唐山の足下に正確に届いた。神懸かりのセーブを連発していた相手GKの目の前で、唐山はダイレクトシュートを放つと、ボールはゴールに吸い込まれていった。
今大会、レギュラーでこそなかったが、グループリーグ初戦のタイ戦において途中出場で5点目のゴールを決め、さらに、背水の陣で臨んだマレーシア戦でチームを決勝トーナメントに導く先制ゴールを挙げるなど、ラッキーボーイ的な存在になっていた唐山。その唐山が、またしても大仕事をやってのけた。
「アジアチャンピオンとしてW杯に」
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森山監督の采配は的中し、2-1の勝利をたぐり寄せたと同時に、2大会連続のU-17W杯出場権を掴みとった。
「このゲームに勝つために準備をしてきたので、この勝利は本当に格別なものがありますね」
試合後、森山監督はまず最低限の目標を達成したことについて、安堵の表情を見せた。ただ、「アジアチャンピオンとしてU-17W杯に行きたいという話を選手とは共有しているので、そこは目指していきたいと思います」と語ったように、久保建英(横浜F・マリノス)、中村敬斗(G大阪)、菅原由勢(名古屋グランパス)ら錚々たるメンバーを擁した前回のチームですら果たせなかったAFC U-16選手権優勝へとすぐに気持ちを切り替えていた。