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ハリル記者会見に新事実は何も出ず……。
日本サッカーの未来が見える試合とは。
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戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKyodo News
posted2018/04/28 12:00
![ハリル記者会見に新事実は何も出ず……。日本サッカーの未来が見える試合とは。<Number Web> photograph by Kyodo News](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/4/d/700/img_4db3faec442ebeac9dba3b8c10647587152590.jpg)
予定時間を大幅に超えて熱弁を振るったハリルホジッチ氏だが、浮き彫りになったのは協会との見解の相違だけだった。
終盤に弱いのは、デュエルの影響!?
2006年のドイツW杯のオーストラリア戦を思い起こせば、激しいコンタクトプレーの連続による肉体的な消耗に気づく。暑さに見舞われた一戦でもあったが、終盤の3失点はいまで言うデュエルの影響だった。
ブラジルW杯の得点を15分刻みで整理すると、もっとも多いのは76分以降のラスト15分だった。その次に多いのは、60分から75分である。デュエルに対する勇敢な姿勢が、勝負どころで粘り切れない事態を招く可能性は大いにある。
1対1で勝てなければサッカーにならないが、ピッチの場所によっては2対1で勝つことを、3対2で勝つことを考えてもいいのがサッカーでもある。
ブラジルW杯の繰り返しではなく……。
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タテに速いサッカーについても、同じ視点で語ることができる。
W杯レベルでも抜きん出たフィジカルの持ち主や、圧倒的なスピードの持ち主がFWに揃っていれば、中長距離のパスを第一の選択肢にしていい。しかし、日本人FWのフィジカルは、世界的に見て平均的かそれ以下だ。デュエルで潰される前にサポートできる距離感を作り出し、密集でもしっかりとボールを扱える技術の高さを生かした攻撃に、選手たちが活路を求めたいのは理解できる。
ショートパス一辺倒で攻めろ、と言うつもりはない。それではブラジルW杯の繰り返しになる。たとえば浅野拓磨のようなスピードスターがいれば、前線にロングパスを入れていい。それによって相手の守備ラインを後退させ、中盤にスペースが生まれたところでパスをつないでいく、といった戦略を描ける。