サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
ハリル記者会見に新事実は何も出ず……。
日本サッカーの未来が見える試合とは。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKyodo News
posted2018/04/28 12:00
予定時間を大幅に超えて熱弁を振るったハリルホジッチ氏だが、浮き彫りになったのは協会との見解の相違だけだった。
日本サッカーの未来が見える試合を!
カウンターを含めたタテに速いサッカーを、得点に結びつけられるチームは強い。
セットプレーで得点できるチームも強い。
自分たちのストロングポイントを生かせるチームは強いのだ。大切なのは、攻撃の方法をいくつも用意しておくことである。
その意味で言えば、ハリルホジッチ前監督の解任へ踏み切る前に、サッカー協会にできることは間違いなくあった。彼が目ざしたものと日本人の良さをハイブリッドしたサッカーを作っていく、との方向性を示せば、ハリルホジッチ前監督も納得したのではなかったか。それでも「NO」と言うのなら解任とすれば、どんなにか分かりやすかったのではないかと思うのだ。
西野朗監督のもとでロシアW杯を戦うことになった以上、サッカー協会とハリルホジッチ前監督のどちらが正しいのか、といった議論は不毛でしかない。それよりも、ロシアW杯が日本サッカーの未来を映し出すものとなるように、サッカー協会は日本代表をサポートしていかなければならない。西野朗監督と彼が選ぶ23人は、未来への道標となるゲームをしなければならない。たとえ結果が伴わなかったとしても、「このサッカーの先にまだ見ぬ栄光がある」と信じられる戦いをすることが、今回の解任騒動の最後の1ページであるべきなのだ。