サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
ハリル記者会見に新事実は何も出ず……。
日本サッカーの未来が見える試合とは。
posted2018/04/28 12:00
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Kyodo News
新しい事実は、何も出てこなかった。
4月27日に行なわれた、ヴァイッド・ハリルホジッチ前日本代表監督の記者会見である。
日本サッカー協会の田嶋幸三会長が解任の理由にあげた「コミュニケーション不足と信頼関係の薄れ」について、ハリルホジッチ前監督は全面的に否定した。コーチングスタッフとは「毎週月曜日に定例のミーティングを開き、それ以外にもミーティングを開き、試合を視察し、レポートを作っていた。毎日色々な作業をやっていた」と、日々の仕事のなかでコミュニケーションが取れていたことを説明した。
選手とのコミュニケーションについても、「問題なし」を強調した。
今年2月に海外組の長谷部誠、吉田麻也、長友佑都、川島永嗣らのもとを訪れた際に、彼らのモチベーションの高さを感じたと語った。解任を宣告された後には、15人ほどの選手から励ましの連絡を受けたと言う。はっきりとした言及のなかった信頼関係については、スタッフや槙野智章からのメッセージを紹介することで説明をつけた。
「誰も何も教えてくれなかった」
田嶋会長の説明によれば、「チームが最善の方向へ行くようにサポートしてきた。(技術委員長当時の)西野さんは最後までハリルホジッチさんをサポートした」とのことだが、ハリルホジッチ前監督の皮膚感覚とはここでもズレがある。
「問題があったのなら、西野さんが何かインフォメーションをしてくれても良かったのに」と言い、「誰も何も教えてくれなかった」と語気を強めた。
だとすれば、ハリルホジッチ監督は被害者なのか。