Overseas ReportBACK NUMBER
大坂なおみはハイチの誇りでもある。
スポーツと国籍とアメリカンドリーム。
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph byZUMA Press/AFLO
posted2018/04/11 17:00
BNPパリバOPでの大坂なおみの優勝スピーチ風景。はにかみながらの素朴なスピーチは好感度も高く、世界的な話題となった。
多様性を楽しむ姿勢でスポーツを観戦する。
日本にも様々なルーツを持つ選手が増えてきている。
両親が他国から日本に移住し日本で生まれ育った選手、両親が国際結婚し、日本もしくは海外で生まれ育ったハーフの選手も多い。
そういった選手に対して、複雑な感情を持つ人もいるだろう。
でも、俯瞰的に見てほしい。
陸上の短距離や卓球は、多様性のある選手の出現によって代表チームのレベルが上がるという相乗効果が生まれている。また日本にルーツを持っていたり、日本のスポーツシステムで育った選手が大舞台で活躍する姿を見るのは、自身と共通点のない選手同士が戦う姿を見るよりも、シンプルに感情移入しやすいと思う。
「違い」を拒絶するのは簡単だが、違いを楽しみ、受け入れる姿勢を持つことが、これからのスポーツ観戦のあり方になってほしい。