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降格圏の広島、データは意外と……?
シュートやパスは優勝した年より上。
posted2017/06/21 13:00
text by
原山裕平Yuhei Harayama
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
サンフレッチェ広島が、まさかの低空飛行を強いられている。
J1リーグ第15節を終えて17位。ここ5年で3度の優勝に輝いた強豪クラブに、いったい何が起きたのか――。
主力の流出、世代交代の遅れ、あるいは長期政権によるマンネリ化……。
考え得る要因はいくつかあるだろうが、ピッチ上のパフォーマンスを考察するうえで、データはひとつの重要なツールとなるだろう。優勝した2015年と今年のデータを比較すれば、その原因が浮かび上がるのではないか。
しかし、紐解いたデータには、よもやの数字が弾き出されていた。
2015年と2017年の広島のデータを比較してみると……。
今回参考にしたのは、データスタジアム社が提供する『Football Lab』に記載されたデータだ。このサイトではシュート数やポゼッション率といった基本スタッツだけでなく、パス交換のランキングや、30メートル進入回数など、詳細なデータも知ることができる。
比較したのは優勝した2015年シーズン全体と、2017年の第14節までのデータで、結論から言えば、両者の数字に大きな差異は見られなかった。
例えば1試合当たりのシュートの数は2015年が15.6本であるのに対し、2017年は15.6本とほぼ同等。パス数は527.0本→605.9本と大きく上回っている。他にもドリブル数は16.3回→18.7回、クロス数は15.7本→17.9本、ポゼッションは50.0%→56.2%と軒並み増加しており、タックル数やクリア数など微減している項目もあるものの、全体的な印象では、優勝時にも見劣りしない数値となっている。
数字上では同等、あるいは上回っているにも関わらず、なぜ、成績はこれほど対照的なのか。
6月17日に開催された第15節、0-1と敗れた川崎フロンターレ戦後に、選手たちにこの疑問をぶつけてみた。