話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
サンフレッチェが苦しむ「0-1」。
実は難しい、点取り屋不在の解決。
posted2017/06/23 07:00
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
SANFRECCE
サンフレッチェ広島が低迷し、長いトンネルからなかなか抜け出せないでいる。
W杯予選による2週間の中断明けの試合となった川崎フロンターレ戦は、広島が再スタートを切るために極めて重要な試合だった。
水本裕貴は、こう言っていた。
「あの2週間、選手は自分たちの置かれている状況を確認し、練習でアピールしてスタメンの座を掴むことを意識してやってきた。チームとしては最近はボールロストが多いので、その改善をして、もしそうなったとしても慌てずに対応しようと確認した。結果的に攻守両面でいい練習ができていたと思います」
守備練習ではボールホルダーに対して厳しくアプローチし、さらに川崎のパスサッカーを封じるためにワンツーにもしっかりついていくことを徹底した。一方、攻撃ではカウンターでいかに点を取るかということに意志統一をはかった。
何よりいい準備ができたからこそ、川崎戦に勝てれば「失いかけた自信」を取り戻すことができると考えていた。
攻撃面では川崎を圧倒することもあったが「0-1」。
確かに、練習の成果は試合に表れていた。
広島の選手たちは川崎に連動して厳しくチェックに行き、ボール奪取を狙った。相手ボランチのエドゥアルド・ネットはイラつきを抑えられず、イエローをもらうほどだった。
攻撃面ではサイド攻撃から中に飛び込んでいく選手の数が増え、迫力のある攻撃で終盤は川崎をほぼ圧倒した。
しかしスコアは0-1。ここまでやっても、勝つことができなかった。
試合後、青山敏弘が悔しさもあってか、ミックスゾーンでもほとんど話をしないまま通り過ぎた。そのくらい中断明けの一戦に懸けていたし、だからこそ勝てる試合を落としたショックが大きかったのだ。