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ACL日韓戦での成功体験をJでも。
浦和、川崎が身につけ始めたタフさ。
posted2017/03/08 11:30
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
試合後、FCソウルのCBカク・テヒ(元京都)に「序盤の失点」について話を切り出した。2月28日、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)浦和レッズvs.FCソウル戦後のことだ。
「いや、別に今日は話すことはないんですが……」
疲弊した表情に、大敗の衝撃を感じた。この大会では取材エリアを選手が通らないとチームに罰金が科されるが、話をするかどうかはまた別の問題だ。「一言でも」と加えたが、「次の機会に」と呟いてカクは去っていった。
スコアは浦和の5-2での大勝。しかも試合開始から21分までに4得点という稀有な展開だった。
ACLの序盤2試合、さらにJ1リーグも開幕2節を終えた。第2節・セレッソ大阪戦後の浦和レッズの槙野智章も「5連戦(ゼロックススーパーカップ、平日のACL、週末のJリーグと続く日程)の最後のゲームだった」と口にしていた通り、チーム全体もひと段落ついた、というところか。
G大阪は大敗したものの、ほかの3クラブの結果は上々。
2月21日から28日まで、首都圏で行われた大会グループリーグ第1節、第2節の計3試合を現地で取材した。
鹿島2-0蔚山現代、川崎1-1水原三星、浦和5-2FCソウル。
もちろん、3月1日にガンバ大阪が済州ユナイテッドにホームで1-4と大敗した点は大きなポイントだが、この点は最後に触れるとして、直接取材した3つのゲームの総括をすると「悪くはない」というところだ。
Jリーグ勢としては優勝が悲願となったACLは、何も韓国だけと戦っているわけではない。2試合終了時点で鹿島アントラーズはアウェーでタイのムアントン・ユナイテッドに敗れたし、川崎フロンターレは同じく香港の東方に引き分けた。この状態は憂うべきものだ。
とはいえ、この「ACL序盤の日韓対決」は、例年Jリーグの趨勢に影響する4クラブ、つまり昨季に成績のよかった4クラブのシーズン序盤を占う“関門”となっている。