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ACL日韓戦での成功体験をJでも。
浦和、川崎が身につけ始めたタフさ。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/03/08 11:30
自慢のコンビネーションにプラスして、相手の気勢を削ぐような激しいプレッシングを。浦和はACLの戦いを経て、新たな次元に達しようとしている。
浦和に大敗したFCソウルは週末にビッグマッチが。
浦和に大敗したソウルの黄善洪監督は終始、憮然とした表情だった。「試合序盤からプレスをかけた選択に後悔はない」と口にした。
チームには事情があった。A浦和戦が行われた週末には、前述の通りKリーグの開幕戦が控えていた。それも韓国国内では「スーパーマッチ」と呼ばれる水原とのビッグゲームだ。国内メディアも大きく雰囲気を煽るナショナルダービーで、例年2万5000人規模の観客が集まる。この数字はKリーグの平均観客動員の2倍以上である。
これに向け、黄善洪監督は自らの指針を貫いた。「ターンオーバー制」だ。昨年6月にソウル監督に就任した同監督は、主力を休ませながら起用する手法でチームをリーグ優勝に導いた。浦和戦でも、アディショナルタイムにゴールを決めたダムヤノビッチは75分からの出場だったことが象徴的だ。
「チームに冷や水を浴びせるようなミス」をしたGK。
ちなみに2つの大きなミスを犯したGKユ・ヒョンは韓国メディアから翌日付の現地媒体「ニューシス」では、このように批判されている。
「守備ラインを調整するGKも不安要素だった。ユ・ヒョンは昨季、ハイボールへの弱点を抱えつつシーズンを過ごした。今季は、ユ・サンフンが軍に入隊したためポジションを獲得したのだ。ユ・ヒョンは反射神経にも優れ、派手なセーブも見せるが、反対に些細なミスも多い。浦和戦でも微妙なポジション取りのミスを犯し、2つのゴールを許した。パク・チュヨンのFKで浦和に追いつこうとする雰囲気のなか、チームに冷や水を浴びせるようなミスだった」
ただし、ガンバ大阪がホームで済州ユナイテッドに1-4の大敗を喫した点は看過できない。直接現地で取材していないため多くは言及しないが、長谷川健太監督の言葉が強い印象に残っている。
「ACLだからといって、何かを特別に変えない」