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ACL日韓戦での成功体験をJでも。
浦和、川崎が身につけ始めたタフさ。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/03/08 11:30
自慢のコンビネーションにプラスして、相手の気勢を削ぐような激しいプレッシングを。浦和はACLの戦いを経て、新たな次元に達しようとしている。
ACL序盤戦を落とすと、シーズン全体に影響が。
ここでコケたら、シーズン全体に影響を与える。2015年には浦和レッズがターンオーバー制を導入するため、石原直樹、武藤雄樹、橋本和を獲得し、選手層を厚くした。しかし水原相手にホーム、アウェーともに1-2で敗れた影響を最後まで引きずり、グループリーグ敗退。残りのシーズン、分厚い選手層を持て余したような印象もあった。
また同じ2015年では、前年に国内3冠を達成したガンバ大阪が城南FCにアウェーで圧倒的に攻めながら0-2の敗北。当時は前年度の実績から「スロースターター」らしい結果にも見えたが、前年から成績を大きく落とすことになった。
Kリーグに“力技で抑え込まれる”という法則性。
Kリーグ勢に対して劣勢にあるJリーグ勢の姿には、ある程度の法則性があった。韓国側に日本がハメられる構図は“力技で抑え込まれる”というものだった。過去にJクラブに勝ったKリーグ側の証言はこうだ。
「相手が攻めてきてボールを長く持たれる時間帯がある。しかし、そこを凌ぐ。そしてタイミングをはかって一気に、守備での積極的なプレスを通じて『仕掛ける』時間帯を作る。そこで勝負を決めてしまうんです」
(2015年2月25日:ホームで浦和に2-1で勝利後の水原MFヨム・ギフン)
「守備ラインを下げて、相手にゴール前でスペースを与えないこと。そうすると相手は、不確実なロングボールを蹴りこまなくてはならなくなる」
(2015年3月3日:ホームでG大阪に2-0で勝利後の城南・キム・ハクボム監督)
「パスを回されても、ゴール前を止めればいい」
(同:MFキム・ドゥヒョン)
「我慢していれば相手が攻め疲れするだろうと予測していた。だから後半に勝負を仕掛けようと」
(2014年5月7日:アウェーで川崎に3-2で勝利後のソウルCBキム・ジンギュ)