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武藤嘉紀、1年ぶり先発で完全復活!
シンデレラストーリーの第二幕開始。
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![寺野典子](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images
posted2017/01/23 13:00
![武藤嘉紀、1年ぶり先発で完全復活!シンデレラストーリーの第二幕開始。<Number Web> photograph by Getty Images](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/3/a/700/img_3a4d21e657dae0e57fb1decd76e4d7b1109949.jpg)
マインツ史上屈指のペースで得点を重ねてきた武藤嘉紀。復帰直後でも、「エース」としての期待は高まる一方だ。
武藤は、復帰への感慨に浸るつもりはない。
開幕当初から堅守速攻でポイントを積み上げてきたケルンだが、これで4試合連続引き分けと足踏みが続いている。「シーズン二桁得点を狙いたい」と話していた大迫だったが、停滞気味のチーム状況のなかで、いかに結果を残すのか。チームが活気づくきっかけとしても大迫のゴールが欲しい状況で、ストライカーとして、試練に立たされている状況だ。
「ケルンも上位に食い込めるだけの力はありますし、今日の戦い方を考えると、どっちに転んでもおかしくなかった試合だから。最後は守備を固めて勝ち点1を獲りに行ったんだと思うので、良かったんじゃないかと思います。こっからですね。
ドルトムント戦もありますけど、ドルトムントも調子がいいとは言えないので、しっかり勝てばすごく勢いに乗れるんじゃないかなと思う」
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そうポジティブに振り返った武藤だったが、4カ月ぶりの戦線復帰に対して、感慨深い思いはないという。
「“戻ってきたな”という気持ちよりも、“やらなくちゃいけない”っていう気持ちですね。これだけ休んでいたんで、嬉しいというよりもとにかく結果を出すことにこだわっていきたい。相手が5バックで前の選手としては非常に戦いにくい試合だったし、今日は守備が求められると言われていて、自分が一個下がって守備に追われる時間も長かったけど、まあその中でチャンスに顔を出していかないといけない。
決定機も何個かあったのでそこをなんとかねじ込めればよかった。得点に絡みたかったから、少ないチャンスをものにできれば良かったですけど。でも、相手もゼロで抑えられましたし、貴重な勝ち点1だと思います」
武藤にとって1年間の空白は「もったいなかった」のか。
武藤にとってはほとんど1年間、リハビリをしてきたことになる。
2014年、21歳でFC東京でプロデビュー。同年9月には日本代表に入り、監督が代わってもその地位は揺るがなかった。
マインツに移籍したのは2015年5月。ブンデスリーガにデビューした武藤は、シンデレラボーイのような注目を集めた。
そして、加入早々から出場機会を得て、ゴールも量産。線の細さもあってサイドでの起用が予想されていたが、身体を張って攻守に渡りアグレッシブなプレーを見せることが評価され、1トップでの仕事を任されることも多かった。
「とんとん拍子」と言えるハイスピードで登ってきたことが原因だったのかはわからないが、ほぼ1年間の空白は、「もったいない」時間だったと武藤が考えるのも理解できる。