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武藤嘉紀、1年ぶり先発で完全復活!
シンデレラストーリーの第二幕開始。
posted2017/01/23 13:00
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph by
Getty Images
ウィンターブレイク明けのブンデスリーガ第17節。10位マインツは7位ケルンをホームに迎えた。
司令塔のマリが移籍し、FWのコルドバも出場停止。そんなマインツの攻撃陣に右膝を負傷していた武藤嘉紀が復帰し先発に名を連ねた。先発起用は約1年ぶりだった。
昨年9月29日のヨーロッパリーグで右膝を負傷。12月上旬に復帰するという報道もあったが、復帰に対して慎重な判断をくだしていたようだ。
「(昨年12月は)自分が“行ける”っていう風になってなかったので。膝だけじゃなくて、違うところが痛くなったり。まだ自分の準備ができてなかった。監督も気にしてくれて。お互い、話し合いながらという形で、昨年の復帰を遅らせました」
2016年2月に右膝靭帯を痛めて戦線離脱。そして3月下旬の練習中に再び右膝を痛めて、そのシーズン中の復帰を断念した。新たなシーズンが始まっても、マインツの監督はじっくりと時間をかけて武藤の完全復活を待った。しかし、前述したように再び右膝を痛める結果になってしまった。同じ右膝靭帯といってもその箇所が同じだったわけではないが、繰り返される負傷。痛めた箇所をかばったりすることで、身体のバランスが崩れたことが大きな原因と考えられる。
「身体のバランスを見ながら、弱かったところを強化することにこのウィンターブレイクでは、かなり重点を置きました。バランス面で非常に良くなっていると思う。前回(昨年9月)はかなり無理していたこともあった。今回の方が万全の状態です」
1年ぶりの先発でも、いきなりのドリブル突破。
そんな武藤の言葉を証明するように、開始1分にはドリブルでペナルティエリア内に侵入してみせた。そして、マインツの武器である前線からの守備も手を抜くことはなかった。
順位では上位に位置するケルンだったが、マインツのホームスタジアムでの試合を苦手としており、3-4-3で試合に臨んだ。しかし試合が始まると実質5バックとなり、左サイドに入った大迫勇也にボールが渡るシーンもわずか。両チームが共にその形は違えど、守備への意識が高く、堅い前半となった。