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武藤嘉紀、1年ぶり先発で完全復活!
シンデレラストーリーの第二幕開始。 

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寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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photograph byGetty Images

posted2017/01/23 13:00

武藤嘉紀、1年ぶり先発で完全復活!シンデレラストーリーの第二幕開始。<Number Web> photograph by Getty Images

マインツ史上屈指のペースで得点を重ねてきた武藤嘉紀。復帰直後でも、「エース」としての期待は高まる一方だ。

武藤と大迫は互いに積極的に仕掛けたが……。

 36分、FKからヘディングシュートを放ったものの、ゴールを決めきれなかった大迫が悔しそうに試合を振り返る。

「大事に入りすぎましたね。ただ、アウェイで5バックでやってたんで……こんな感じになっちゃいますよね。0-0の時間を長くしようという感じだったし、もっとうまくできたと思うので、もったいなかった。もっと前へ人数をかけたかった。今日はサイドだったから、守備もしないといけないので、しょうがないことだけど、チーム全体として押し上げないと、なかなか点はとれない。この形をやったのは今季初めてだったし、もっと突き詰めていかなくちゃいけない」

 52分には武藤が縦パスを受けて裏へ抜けだし、シュートを放つもゴールキーパーに阻まれる。後半になるとケルンが攻勢に出て、大迫も中央へ顔を出すようになり、ボールタッチ数も増した。

「相手も疲れてスペースができてきたので、後半はチャンス増えるかなと思ったんですけど、やっぱりチーム全体として、前への意識が足りなかった」

 ケルンは5バックで自陣を守り、ボールを奪取しても、そこからのパスミスが目立った。速攻をしかけられる場面でも、組み立てようとして結果ボールを失うシーンも少なくなかった。下がってボールを引き出し、味方へ預ける。そしてあらためて前線でパスを待つも、何度も攻撃が続かず、大迫がチームメイトに強く訴える姿も見られた。

 69分、右からのクロスボールに反応した武藤。ペナルティエリア内で相手DFに挟まれる形で倒されたが笛は鳴らなかった。その後もファールをとってもらえず、大きなアクションでレフリーに訴える武藤の姿からは、復帰した彼の躍動感が伝わってきた。

 武藤は89分にベンチに下がり、試合は0-0のまま終了。

大迫はフラストレーションを抱えていた。

「相手は前から前から来ていたので、(スペースが)空くところはDFの後ろなので、そこを狙ってはいたけど、まあ続けてやるしかないです。パスミスはケルンだけじゃなくて、うちにも言えることだったと思う。どちらのチームもかみ合ってないなという試合だったと思いますけど」

 大迫は第6節以降ゴールを決めていない。12月にはMFが軒並み負傷離脱し、MFでの起用機会もあった。ウィンターブレイクを経てMFも復帰し、本来のストライカーのポジションで爆発したいと願ったはずの大迫だったが「アウェイだからか、(後半)開幕戦だったからかわからない」という守備的な布陣での試合で、大きなフラストレーションを抱えているように見えた。

【次ページ】 武藤は、復帰への感慨に浸るつもりはない。

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