“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
青森山田は毎試合バス移動10時間。
プレミアイースト優勝はハングリー故?
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2016/12/12 16:00
昨季は勝ち点1差で2位だった青森山田。今季はプレミア制覇と選手権制覇の2冠を目指す!
ユース年代の3冠を狙っていたFC東京U-18。
優勝するためには勝つしか無いFC東京U-18。
彼らは、夏の日本クラブユース選手権で優勝、11月のJユースカップでも優勝を成し遂げ、その勢いを駆って3冠までをも視野に入れていた。
「クラセン(日本クラブユース選手権)とJユースカップは高体連がいない大会(高校のサッカー部が参加していない大会)。だからこそ、高体連のチームもいるこのプレミアリーグを制したい気持ちは強い」
来季にトップチーム昇格が内定しているMF鈴木喜丈は語気強く、そうコメントした。
佐藤一樹監督の下で戦うFC東京U-18も、J3リーグと掛け持ちする選手がいて連戦を強いられたりと、今シーズンもずっとタフな戦いを続けてきた歴戦のチームなのである。
決戦の前々日に、バスで東京にやってきた選手たち。
12月11日の日曜日、FC東京のトップチームが練習をするFC東京小平グラウンドでこの一戦は行われた。
その前々日に青森山田の選手達は、いつもの緑色(チームカラー)のバスで、片道9時間かけて東京にやって来ていた。
彼らは、前節の清水ユース戦もアウェーだったため、月曜日の未明に清水から11時間を掛けて青森に戻り、その後、通常通り授業と練習をして、金曜日の学校終了後、東京にやってきていた。
そんな大変な「日常」のもとで迎えた決戦の時。
試合は立ち上がりからFC東京U-18の攻撃に押し込まれる苦しい展開となった。
FC東京U-18は、立ち上がりから半谷陽介と内田宅哉のツートップのプレーのキレが凄まじく、前線で優れた個の打開力を発揮し続けた。青森山田のサイドを切り崩して、特にペナルティーエリア脇は彼らの独壇場となり、青森山田は彼らのスピードと細かいタッチのドリブルに、侵入を何度も許すこととなった。