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“WBC準決勝に進めるのか”の声も。
小久保監督の少数精鋭策は妥当か?
posted2016/12/02 11:30
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Naoya Sanuki
「このままではアメリカに行けないのではないか」――来年3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を巡って、球界関係者の間では危機感が広がっている。
今大会の日本はまず東京ドームで行われる1次ラウンドプールBに属し、3月7日からキューバ、豪州、中国と総当たりの1次ラウンドを戦う。そこを勝ち抜いた上位2チームが東京ドームでの2次ラウンドに進出。韓国、オランダ、台湾、イスラエルのプールA上位2チームと再び総当たり戦を行い、上位2チームが米・ロサンゼルスでの準決勝に進出するシステムだ。
第3回大会ではこの第2ラウンドで台湾に8回までリードを許したように、厳しい戦いとなるのは必至。特に今回は宿敵・韓国や台湾のアジア勢以外にも、オランダはメジャーリーガーが参加の方向で強力メンバーが揃う可能性が出てきている。またアマ最強と言われたかつての力はないにしてもキューバも侮れない。
まず議論すべきは、最終メンバーの選考方法にある。
日本が連覇した第1、第2回大会の頃と比べると各国のレベルも上がり、大会そのものが少しずつ認知されたことで、メジャーリーガーの参加が増えてきたことも、ハイレベルの戦いとなる理由だった。
その中で世界一奪回を目標に掲げる侍ジャパンは、どんな戦いをできるのか。
先のメキシコ、オランダとの強化試合で3勝1敗と勝ち越しはしたものの、完勝したのはメキシコとの第2戦のみだった。2勝したオランダ戦もタイブレークで辛勝したが、序盤で投手陣が大量失点するなど過去3大会に比べて投手力が落ちるのではないかという声が広まっている。そうした不安から、2次ラウンドを勝ち抜き、準決勝に進出してアメリカに行くことができるのか。世界一奪回を論ずる以前に、まずその点に厳しい声が飛んでいるのである。
そこでもう一度、論議すべきだと思うのは最終メンバーの選考方法にある。