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“WBC準決勝に進めるのか”の声も。
小久保監督の少数精鋭策は妥当か?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNaoya Sanuki
posted2016/12/02 11:30
大谷に対して二刀流で挑ませるのか以外にも、小久保監督が思慮すべき案件は数多い。
必要とされるのは、最悪を想定した危機管理のはず。
早めにメンバーを確定するメリットも、もちろんある。選ばれた選手たちは日本代表としての自覚を持ってオフを過ごし、コンディションを整え、ボールへの対応も本気で取り組めるはずだ。何よりチームとしての結束感が高まることが小久保監督の狙いだろう。
ただ、何が起こるか分からないのが国際大会だ。そこで一番、必要とされるのは、最悪を想定した危機管理のはずなのである。
もし選んだ選手の中に試合に出られないほどではないにしても、コンディションがあまり良くない、調子が上がっていない選手がいてもその選手を連れて行くのか? また結局、ボールに馴染めない選手がいても、そのままマウンドを任せるのか? 特に投手に関しては10人の予備登録が認められるのならば、その候補選手も含めて合宿に招集して、そこから最終メンバーを決定する方法が危機管理としては適切ではないだろうか――。
監督として辛い決断を迫られるかもしれない。選手からは不満の声を浴びるかもしれない。それでもベストの侍ジャパンを作るために、監督はそういう辛い決断をしなければならないのではないだろうか。そして最後に勝つことで、最後に笑うことで、決断は選手たちにも絶対に受け入れられるはずなのである。