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<公開セミナー特別レポート1>
プロ野球を取り巻く厳しい経営環境。
現実を直視した千葉ロッテの改革。 

text by

茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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photograph byAsami Enomoto

posted2013/06/17 10:30

<公開セミナー特別レポート1>プロ野球を取り巻く厳しい経営環境。現実を直視した千葉ロッテの改革。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

野球界を揺るがせた「1リーグ構想」直後に千葉ロッテの事業部に加わった原田卓也氏。前職のIT業界で培った論理的思考で球団の経営改革に邁進した。

少ないファン人口で、どうやって球団を経営していくか。

 その3要素について、千葉ロッテはどのような状況なのかは知りたいところ。そんな心を見透かすかのように、原田氏はそれぞれ興味深いデータを提示する。まずは“マーケット”だ。

「いろいろな調査がありますが、千葉ロッテのファン人口(すなわち“マーケット”)は大体100万人くらいしかいないという結果が多く出ます」

 ちなみにファン人口を12球団で比較した際、ロッテはだいたい11位に落ち着くことが多く、全国で一番ファンの多い巨人と比べた際には10~15倍以上の開きがある。ファンの絶対数が少ないということはマーケットとしての市場が小さいということで、売り上げの規模で苦戦を強いられてしまう。

三重苦のなかでのチャレンジ。

 

“メディア”に関しては、親会社がメディア企業の球団はもちろん、日本ハムや広島など地方の球団は地元メディアの強力なサポートを受け、結果として地域性の強いファンを獲得することができる。一方でマリーンズの場合だが、

「まずは親会社がメディア企業ではありませんし、なおかつ(東京に巨人がある)関東圏の球団なので、サポートを受けるためには難しい部分が多いのです」

 そして3つ目の“スタジアム”。原田氏が重要なファクターと考えるのは立地条件である。交通の便に恵まれたスタジアムの筆頭は巨人の本拠地・東京ドームで、後楽園駅や水道橋駅(JR、地下鉄)などが徒歩5分以内の所にある。また西武ドームの場合は池袋駅から約40分もかかるが、親会社が電鉄会社という強みを生かしてスタジアムに隣接する駅があるのは有名だ。

 QVCマリンフィールドに関して言えば、ここでも他球団に比べると不利な条件だ。

「海浜幕張(京葉線)が最寄駅なのですが、そこからスタジアムは徒歩15分なんです」と、12球団の中では恵まれていない。つまり千葉ロッテは、「マーケット、メディア、スタジアムの3つの重要な要素を分析しても、非常につらい条件で戦っていかなければならない」のだ。

【次ページ】 “3つの×”を○に変える取り組み。

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千葉ロッテマリーンズ
原田卓也

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