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<公開セミナー特別レポート1>
プロ野球を取り巻く厳しい経営環境。
現実を直視した千葉ロッテの改革。
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byAsami Enomoto
posted2013/06/17 10:30
野球界を揺るがせた「1リーグ構想」直後に千葉ロッテの事業部に加わった原田卓也氏。前職のIT業界で培った論理的思考で球団の経営改革に邁進した。
“3つの×”を○に変える取り組み。
チームは1991年に神奈川県川崎市から千葉へと本拠地を移転したわけだが、この悪条件も相まって、冒頭で紹介した原田氏の言葉通り毎年数十億円ずつ赤字を出していたのである。しかし'04年に起きた球界再編騒動によって、千葉ロッテにも変革の必要が出てきたのだ。
この流れの中で大きかったのは“球団だけ”での動きでなかった点だと振り返る。
「'05年頃から球団改革を行っていったのですが、ファンと行政の方々が立ち上がり、三位一体となって改革しようという動きが出てきたのです」
IT企業に勤務していた原田氏が千葉ロッテに入社したのは'05年のこと。当時、ダイヤモンド内で今江敏晃や西岡剛らがブレークを果たす中で、経営面における“補強”も着々と進められていたのだ。
しかし簡単に球団改革と言っても、前述した3要素は厳しいものばかり。それでも原田氏をはじめとしたメンバーはプラス思考を忘れないという。
「“3つの×”をどのようにして○に変えていくか。それこそが今でも常に僕たちがやっていることなのです」
具体的にそのカギを握る、3要素に対してのキーワードがある。
マーケットにおけるCRM(Customer Relation Management ※顧客満足度を高めつつ、自社の利益を最大化するため、顧客との取引情報を一元管理するビジネスモデル)の導入、新たなメディア戦略の展開、そしてスタジアムのボールパーク化構想の推進だ。
原田氏が取り組んだプランや仕掛けとは何か?
千葉ロッテの地域密着型経営」は、明日、6月18日(火)公開予定です。