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奇跡の逆転劇で15年ぶりCL4強!
“香川後”も進化続けるドルトムント。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byBongarts/Getty Images

posted2013/04/10 13:25

奇跡の逆転劇で15年ぶりCL4強!“香川後”も進化続けるドルトムント。<Number Web> photograph by Bongarts/Getty Images

後半48分に起死回生の逆転弾を決めたサンターナ(右)と、15年ぶりのベスト4進出を喜ぶドルトムントの選手たち。

マラガに“お株”を奪われたドルトムント。

 マラガとすればこの2ndレグは引き分けで良い。0-0で90分が終われば延長戦になるが、1-1、2-2のようにゴールが決まったうえで引き分ければ、アウェイゴールで上回るマラガの勝ち抜けが決まり、マガラがこの試合に勝てばもちろん彼らが準決勝に進める。

 はたして、マラガは、ドルトムントに時間とスペースを与える道を選んだ。そう、今季のドルトムントがずっと取り組んできたサッカーである。

 ドルトムントは前半からボールを持たされ、相手の守備ブロックの手前でパスを回しながら、チャンスをうかがっていく。とにかく相手にアウェイゴールを与えることだけは避けたい。ドルトムントは、失点につながるミスをしないことを第一に考えながら、攻撃をしかけていかなければならなかった。

 (このマラガ戦も含めて)今大会平均47%となった彼らのボール支配率は、この試合の前半では62%、試合を通しても61%を記録している。ボール支配率の上昇は、彼らの目指すサッカーが出来ていないことを逆にあらわしていた。

 そんな矢先の前半25分だった。DFサンターナの不十分なクリアを自陣でマラガのジュリオ・バチスタに拾われ、最後はホアキンに左足で先制ゴールを決められてしまった。これが相手の最初のシュートである。最悪の展開だった。

絶望の淵に立った時間帯に見せた、バイデンフェラーの行為の意味。

 それでも前半40分には理想としていた形で1点を返す。

 自陣でS・ベンダーがプレスをかけ、ピシュチェクがボールを拾う。そこからブラシュチコフスキ、ゲッツェ、ロイスとつなぎ、ロイスのヒールパスを受けたレバンドフスキが相手ペナルティエリアに侵入。相手GKをかわして、ゴールを決めたのだ。この時点でスコアは1-1。このままでは2試合合計スコアが1-2となりドルトムントが敗れてしまうが、あと1点とってこの試合に勝利すれば彼らの勝ち抜けが決まる。

 1-1で迎えた後半、ドルトムントは試合を優勢に進めていく。チャンスも作った。

 しかし、後半2分のレバンドフスキ、後半31分のロイス、後半34分のゲッツェと決定機を相手GKに阻まれてしまった。

 そんな中で、後半37分に左サイドを破られる。このとき中盤より前の選手は相手陣内にいてプレスをかけていたが、DFラインは低い位置をとっていた。そのため、ドルトムントの中盤右サイドの裏にはスペースがあり、そこを使われ、最後はエリセウに押し込まれた。

 1点が欲しい場面だったとはいえ、中盤より前の選手たちは昨季までのようなプレスをかけ、DFラインの選手たちはこの時間帯でも今季の自分たちがやるべきサッカーを続けようとしていた。

 ペースを握りながら失点する。昨シーズンまで何度も見た、悪夢が繰り返されたかのように見えた。

 だからこそ、原稿の冒頭で記した、この絶望の淵に立った時間帯におけるGKバイデンフェラーの行為は称賛されるべきなのだ。

【次ページ】 強豪揃いの準決勝では再び自分たちのサッカーができる!?

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