野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
7年連続パ・リーグが優勝の交流戦。
今年のテーマは「セによる打倒パ」だ!
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byKyodo News
posted2012/05/15 10:31
開幕前の予想を大きく裏切って、今季スタートダッシュに失敗した原巨人。セ・リーグでは中日、ヤクルト、阪神に次いで4位の成績だが……交流戦で復活なるか?
“貯金箱”の横浜と広島が踏ん張ってくれたら……。
しかも、セ・リーグは昨年不調だった前田健太が絶好調。横浜DeNAも三浦大輔がエースの座を取り戻すほどの蘇生をしている。
これまでパ・リーグの貯金箱と化していた、勝率3割の横浜と4割の広島。'09年に唯一セが勝ち越した年はカープが3位だったように、この2チームが大転落さえしなければ、セ・リーグが勝ち越す現実味は増すだろう。特に'08年以来、12位12位12位11位とセ・リーグの足を引っ張り続けた横浜が、今年は違うのだ。
何が違うって、オープン戦でパ・リーグに勝ち越したり、筒香がいたり……中畑監督曰く「敵は全部ですよ。『誰が』とか言うレベルじゃない、ウチは。チームごと、全身でぶつかって、やっと勝ちゲームが作れるんですよ。だから相手チーム全部ですね」(日本生命セ・パ交流戦公式サイト)という玉砕精神論があるのだ。少なくともオリックス戦13連敗は止めてくれるだろう。気合で。
最後に昨年の交流戦の総括でヤクルト・小川監督はこんなことを言っていた。
「数字に全部出ているので、パとの差は認めなければ。 ただ、勝てないというわけではない。勝機をどうつくるかを考えないと」
交流戦で地に落ちたセの威信……8年目の雪辱なるか!?
また、一昨年の交流戦後、巨人・原監督はこんなことを自身のHPに書いていた。
「今年は悔しい思いをしましたが、セ・リーグのチームも研究をするでしょう。結果が出ているだけに、私自身も反省し、この教訓をチームに取り入れ、改善していこうと思っています。来年とは言いません。パ・リーグのチームとは、日本シリーズでも対戦します。いち早くパ・リーグの長所をチームに取り入れ、セ・リーグの戦いを優位に進め、日本一を目指したいと思います」
交流戦も今年で8年目である。今では交流戦用にパ・リーグ球団へスコアラーを派遣するのが当たり前となったように、日進月歩で研究と対策は進んでいるのである。勝てないわけがない。とはいっても、やっぱりパ・リーグは強いんだけど。
そんなこともひっくるめて、今年の交流戦、屈辱から立ち上がるセントラルの反撃がはじまるのか。はたまた今年も返り討ちにあうのか。その答えは5月16日から。
“汗と涙を流した数で明日の勝負に賭けてみろ”