野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
7年連続パ・リーグが優勝の交流戦。
今年のテーマは「セによる打倒パ」だ!
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byKyodo News
posted2012/05/15 10:31
開幕前の予想を大きく裏切って、今季スタートダッシュに失敗した原巨人。セ・リーグでは中日、ヤクルト、阪神に次いで4位の成績だが……交流戦で復活なるか?
今年もまた、この季節がやってきた。
日本生命セ・パ交流戦。もはやセ・リーグにとっては鬼門。パ・リーグのボーナスステージと化したような気がする、この年に一度の恒例行事。
2005年のスタートから昨年まで7年間の通算成績はセ・リーグの534勝に対してパ・リーグは586勝(32分)。セ・リーグの優勝は0回。オールスターならパ・リーグ77勝、セ・リーグ71勝(9分)。NHK紅白歌合戦にしたって白33勝:紅29勝ぐらいの差なのだ。名目上、力が均衡しているはずのプロのチームで、50勝以上もの差が開くのは如何なものか(ちなみにこれらすべて劣勢の方の勝率を出すと3つとも4割6~7分に収まるのだが、それで納得したら面白統計コラムになってしまうので話を強引に進める)。
7年間負けっ放しのセはそろそろ勝たないとマズイ。
【2005年】 セ 104勝 パ 105勝 7分 (優勝)千葉ロッテ
【2006年】 セ 107勝 パ 108勝 1分 (優勝)千葉ロッテ
【2007年】 セ 66勝 パ 74勝 4分 (優勝)北海道日本ハム
【2008年】 セ 71勝 パ 73勝 (優勝)福岡ソフトバンク
【2009年】 セ 70勝 パ 67勝 7分 (優勝)福岡ソフトバンク
【2010年】 セ 59勝 パ 81勝 4分 (優勝)オリックス
【2011年】 セ 57勝 パ 78勝 9分 (優勝)福岡ソフトバンク
'09年に交流戦開始以降はじめてセ・リーグが勝ち越すものの、翌年の'10年には1位~6位をパ・リーグが独占でセ・リーグは12勝12敗だった巨人を除いて全て仲良く負け越し。昨年も勝ち越したのはドラゴンズ(14勝10敗)のみで、個人成績も投手ベスト10にはヤクルト・館山、巨人・内海のみ。打者ベスト10では阪神・マートン、巨人・長野の2人以外は全員パ・リーグで独占……と、パ高セ低の傾向は近年になって益々拍車が掛かっているように見受けられる。
この偏り、これまでは“そんなもんなのね”ぐらいの感じで軽くみていたが、昨年のホークスぶっちぎり独走優勝に蹴散らされるセ・リーグ各チームを目の当たりにしていたら、いい加減、そろそろ勝たないと、セ・リーグはいろいろマズイような気がしてきた。
ちなみに過去10年の日本シリーズ優勝チームもセ3:パ7と押されている。最近ではセも頑張っているが地域密着の度合いが進んでいるのはパのような気がするし、パ・リーグにはセには絶対にない、リーグの結束力があるのも羨ましい。連盟歌にしてもパの「白いボールのファンタジー」は野球ファンなら聴いたことがあっても、セの「六つの星」は「なんじゃそりゃ」である。細川たかしだ。