野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
7年連続パ・リーグが優勝の交流戦。
今年のテーマは「セによる打倒パ」だ!
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byKyodo News
posted2012/05/15 10:31
開幕前の予想を大きく裏切って、今季スタートダッシュに失敗した原巨人。セ・リーグでは中日、ヤクルト、阪神に次いで4位の成績だが……交流戦で復活なるか?
セ・リーグファンも一致団結しようじゃありませんか。
このような発言を鑑みるに、今年の交流戦の最大のテーマはひとつ。
セ・リーグによる“打倒パ・リーグ”。
そう位置づけてしまってもいいだろう。
せっかく現場がそんな流れになっているのである。ついでにセ・リーグ各球団ファンの方々に提案である。我々はいがみ合う歴史ばかりが長すぎた。無理なのは先刻承知としたうえで、数多の恨み嫉みは一旦水に流し、ここはひとつ交流戦期間だけ、「セ・リーグ全体の勝ち数」を応援してみるというのは如何だろうか。ええ、ええ、あくまでも見方のひとつとして。試しに。あくまでも、これまでとは違った“リーグ”という概念を発展させる先鞭として、である。
移籍に故障、配置転換……“絶対的エース”が消えたパ。
それに今年は例年に比べてセ・リーグが勝ち越せる要素が揃っているような気がするのだ。
一昨年優勝を果たしたオリックス・岡田監督は交流戦でのセとパの戦い方の違いをこのように分析している。
「(交流戦は)すべて2連戦になるわけやから、軸になる投手がいるところが勝つということ。特にパは良い投手が多いから、2番手以降でもどんどんつぎ込める。パが強いのは、その差が出ているんじゃないかな。ただ、それだと上位との順位が縮まらないからなあ」(日本生命セ・パ交流戦公式サイト)
「みんな勝つから上位との順位が縮まらない」とはすごい発言ではあるが、それはともかく、これまでにも散々言われてきたパ有利の要因。「パは1、2番手に絶対的なピッチャーを持っている」というもの。どっこい、今年のパ・リーグは日本代表クラスの“絶対的なエース”が大量に姿を消しているのだ。
日本ハムではダルビッシュ、楽天は岩隈、ソフトバンクの和田がMLBに移籍。沢村賞の田中は腰痛で交流戦前半は絶望で、西武のエースだった涌井は不調から抑えに転向。オリックス金子はケガから復帰したばかりで不安が残るわ、挙句の果てにソフトバンクの杉内、ホールトンはセの巨人へと移籍……等々、昨年と今年とでは圧倒的に台所事情に差がある。