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柔道世界選手権で世代交代なるか?
“崖っぷち”鈴木桂治が燃やす執念。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2011/08/17 10:30
全日本選手権決勝で穴井隆将(右)を破り、世界選手権男子100kg超級代表で最多5度目の出場を決めた鈴木桂治。最年長の31歳、3度目の五輪出場を目指す
昨年のリベンジを目指し、そしてオリンピックでのリベンジのために、強い決意で目前に迫った大会に臨もうとする選手がいる。
柔道の鈴木桂治である。
今シーズンは、水泳、陸上、レスリングなど数多くの世界選手権が夏から秋にかけて開催される。
来週23日からは、柔道の世界選手権がパリで始まる。昨年、東京で行なわれた同大会で、日本は男子4、女子6、あわせて10個と、史上最多の金メダルを獲得。男女ともに期待以上の好成績を残して終えた。
それを受けてのパリ大会は、ロンドン五輪まで1年を切った今、あらためて日本の実力を計る場となる。
ロンドン五輪代表候補の直接対決もあり得る世界選手権。
そしてもう一つ、重要な意味を持つ。
ロンドン五輪の日本代表争いにも影響を及ぼすということだ。
五輪代表になるためには、ワールドランキング制となった現在、まずは世界ランクで、男子は22位、女子は14位までに入ることが出場権を得る方法となる。
ただし、ランク内に同じ国の選手が複数いれば、その国の連盟に選考が委ねられることになる。日本の場合は、ランク内に複数の選手がいるのがほとんどだ。
そして柔道では、来春、国内で代表選考大会があるにせよ、選考にあたって実績も重視される。オリンピックに次いで価値のある世界選手権の成績は、当然、実績として重要となる。ましてや世界選手権は、オリンピックとはシステムが異なり、各階級に各国2名の選手を出場させることができる。代表を争う選手同士の直接対決も十分あり得るし、同じ大会での成績の優劣は、ライバルに先んじることにも、遅れを取ることにもなる。
当然、選手たちもロンドン五輪を視野に入れて臨んでいる。