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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「東京ドーム天井に当たった説」大谷翔平あのホームランは計測不能…山本由伸と今永昇太の進化、佐々木朗希の別次元とは〈開幕戦詳細データ〉
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph byNanae Suzuki
posted2025/03/24 11:04

ドジャースの大谷翔平。“天井に当たった”説もある、あのホームランは計測不能だった
フォーシームとスイーパーの制球に苦しみ、4四球を出して4回、69球で降板。本人はせめてもう1イニング投げたかったと思うが、公式戦とはいえ、この時期に主戦級投手に無理をさせることはできない。
ただし「スタットキャスト」を見ると、改めて今永の凄さが見えてくる。4シームは平均で150km/hに届かないが、回転数は2533rpm、打者には浮き上がって見えるはずだ。これに、鋭く落ちるスプリッター。左投手のスプリッター使いはそれほど多くない。見慣れない軌道のスプリッターは武器になっている。さらに横回転の変化球スイーパー。今回はやや制球が悪かったが、この3つの球種で戦うのだろう。
今永もQSを目指して投げることになるが、先発6人体制のドジャースに対して、カブスは5人体制と考えられるから、登板数は山本よりも若干増えるはずだ。
朗希:苦しんだ制球だがスプリッターは別次元
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19日に先発した佐々木朗希も見ていこう。
【佐々木朗希】
0勝0敗 3回1被安打5与四球3奪三振、自責点1 防御率3.00
被打率.111 WHIP2.00
投球数56球 ストライク25球/率44.6%
・球種別データ
フォーシーム37球(66.0%)ストライク19球/率51.4% 被安打1
平均球速 157.7km/h 平均回転数2058rpm
スプリッター15球(26.8%)ストライク3球/率20.0% 被安打0
平均球速 136.0km/h 平均回転数512rpm
スライダー4球(7.1%)ストライク3球/率75.0% 被安打0
平均球速 136.7km/h 平均回転数1838rpm
佐々木朗希といえば「100マイル超の速球」というイメージだが、実は彼の最大の持ち味は「制球力」だったはずだ。しかし19日の登板では、それが崩れた。1回、いきなり100マイル超の剛速球を立て続けに4球投げたのは圧巻だった。昨年の佐々木は、足のあげ方も小さく安全運転の印象があったが、この日はリミッター解除していた。
しかし2回以降、フォーシームもスプリッターもストライクが入らなくなった。速球は球速を落として「置きに行く」ように見えたが、制球に苦しんだ。打者の打ちそこないもあり1失点で終わったが、苦しいマウンドだったのは間違いない。
スタットキャストでわかるのは、佐々木のスプリッターはわずか500回転前後、山本由伸や今永の同じ球種とは別次元の球だということだ。変化量が大きいこの球がストライクゾーンに決まり始めれば、NPB同様の「無双状態」になるだろう。ただ、この日の1回のようなリミッター解除した投球は、肩肘の負担を考えれば、限定的であるべきだろう。
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続いて、2人の日本人打者の打撃成績も見ておこう。