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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「東京ドーム天井に当たった説」大谷翔平あのホームランは計測不能…山本由伸と今永昇太の進化、佐々木朗希の別次元とは〈開幕戦詳細データ〉
posted2025/03/24 11:04

ドジャースの大谷翔平。“天井に当たった”説もある、あのホームランは計測不能だった
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Nanae Suzuki
MLB開幕戦、東京シリーズでは5人の日本人選手がプレーした。彼らの成績について試合の投打のデータについて「スタットキャスト」という解析システムで分析した上での公式サイトの「Baseball Savant」参照して詳細に見ていこう。
由伸:急変化スプリッターの比率がやや増えている
まずは投手成績。日本人3投手の3月18日、19日の成績である(WHIPは1イニング当たり安打、四球で出した走者数、率はストライク率)。
【山本由伸】
1勝0敗 5回3被安打1与四球4奪三振、自責点1 防御率1.80
被打率.167 WHIP0.80
投球数72球 ストライク48球/率66.7%
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・球種別データ
フォーシーム29球(40.2%)ストライク21球/率72.4% 被安打0
平均球速 155.8km/h 平均回転数2204rpm
スプリッター29球(40.2%)ストライク20球/率69.0% 被安打1
平均球速 148.7km/h 平均回転数1515rpm
カーブ9球(12.5%)ストライク5球/率55.5% 被安打1
平均球速 126.9km/h 平均回転数2803rpm
シンカー3球(4.2%)ストライク1球/率33.3% 被安打1
平均球速 155.0km/h 平均回転数2280rpm
カッター1球(1.4%)ストライク1球/率100% 被安打0
平均球速 147.6km/h 平均回転数2485rpm
スライダー1球(1.4%)ストライク0球/率0% 被安打0
平均球速 140.0km/h 平均回転数2787rpm
ストライク率が66.7%、先発の場合65%が合格点と言えるからまずまずだ。もともとフォーシームとスプリッター(フォーク)、カーブで組み立てる配球だったが、NPB時代よりスプリッターの比率がやや多くなっている。ただこの球種でストライクが取れるのが強みだ。山本のスプリッターは、この球種としては回転数が多い。変化量がそれほど大きくなく、急速に変化するボールだと考えられる。
シンカーはフォーシームの一部をスタットキャストがそう解釈した可能性もあるが、カッター、スライダーは球種の幅を広げようとする意図を感じる。制球力がよく、2年目ならではの安定感があった。今季も100球未満、QS(クオリティースタート。6回自責点3以内)が目標になるのではないか。
今永:凄まじい回転数のフォーシーム
【今永昇太】
0勝0敗 4回0被安打4与四球2奪三振、自責点0 防御率0.00
被打率.000 WHIP1.00
投球数69球 ストライク43球/率62.3%
・球種別データ
フォーシーム31球(44.9%)ストライク18球/率58.1% 被安打0
平均球速 149.0km/h 平均回転数2533rpm
スプリッター27球(39.1%)ストライク20球/率74.1% 被安打0
平均球速 133.9km/h 平均回転数1209rpm
スイーパー 9球(13.0%)ストライク4球/率44.4% 被安打0
平均球速 129.4km/h 平均回転数2557rpm
カーブ1球(1.4%)ストライク1球/率100.0% 被安打0
平均球速 113.8km/h 平均回転数2408rpm
スライダー1球(1.4%)ストライク0球/率0% 被安打0
平均球速 133.7km/h 平均回転数2733rpm