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《34歳電撃引退の真相》「高齢の両親、家族と過ごしたくて…」「FC東京だけでなくセレッソの心遣いも」J1通算74得点の名ブラジル人FWが激白
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沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byJ.LEAGUE
posted2025/03/03 18:36

現役ラストゲーム後、家族とともに写真に納まるディエゴ・オリヴェイラ。34歳電撃引退の真相をブラジルで聞いた
「慣れ親しんだあの場所で、これまで過ごしてきた時間、いくつかの試合の場面と自分のプレーを思い返していた。今日がここでの最後の試合、そして現役最後の試合なんだ、と思うと胸がいっぱいになった」
――ゴール裏に陣取ったサポーターから名前をコールされ、深々とお辞儀した時は?
「『ディエゴ・オリヴェイラ、2018−2024、オブリガード(ありがとう)』とか『レンダ・デ・トキオ』(東京の伝説)などとポルトガル語で書かれた横断幕を見て、本当に嬉しかった。絶対に負けられない、という気持ちが高まった」
絶対に勝つぞ! イクゾー!
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――試合前の円陣で、チームメイトを鼓舞していました。
「普段、ゲームキャプテンを務めるコウ(高宇洋)の提案で、僕がキャプテンマークを腕に巻いた。優勝争いをしていたわけではなかったけれど、僕にとっては現役最後の特別な試合。お客さんも大勢入っていたから、『絶対に勝とう! イクゾー!』と叫んだ」
――試合前、サポーターが「ユール・ネヴァー・ウォーク・アローン」を合唱している時、「DIEGO」の文字と「9」(ディエゴの背番号)のコレオグラフィー(人文字)がスタンドに出現した。
「これも、本当に嬉しかった。気持ちがさらに高まった」
――前半12分、敵陣であなたが左へ流し、荒木遼太郎からのパスを受けた仲川輝人が右足で決めて先制。前半42分にも高のミドルシュートで加点した。
「とてもいい時間帯に先制できたし、コウの追加点も大きかった」
FC東京はもちろん、セレッソの心遣いにも
――後半18分に交代する際には、チームメイト一人ひとりと抱き合い、サポーターの「ディエゴコール」に対して深々とお辞儀。長年、一緒にプレーして仲が良かった東慶悟と抱き合って、ついに泣き出した。
「チームメート全員と友情を培ったけれど、特にケイゴとモリシゲ(森重真人)は僕がFC東京へ加わってから7年間、苦楽を共にしたアミーゴだった。さらに感動したのは、セレッソの選手たちも含めた心遣いだったんだ」〈つづく〉
