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「駅から10分…なぜこんな広い土地が?」長崎は“スポーツ・シティ”になれるのか…世界を巡った識者が検証「外苑、広島、ボストンにない魅力」
posted2025/03/01 17:00

昨秋に開場した複合施設「長崎スタジアムシティ」の中心にあるPEACE STADIUM。この日はマッチデイではなかったため、スタジアムを自由に散策できた
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生島淳Jun Ikushima
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Jun Ikushima
町とスタジアムがつながるということが、本当に実現していた。
ジャパネットホールディングスが事業主となり、昨年10月に開場した長崎スタジアムシティ。PEACE STADIUMにはJ2に所属するV・ファーレン長崎のホームゲームが行われ、隣接するHAPPINESS ARENAではB1西地区の長崎ヴェルカが本拠を置く。
これまで世界でいろいろなスタジアム施設を見てきたが、「なんだか楽しくなる感じ」ではトップクラスと言っていい。
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なによりアクセスが良い。JR長崎駅から歩いて10分ちょっとでスタジアムシティに着く。取材した日は旧知のKさんがコーディネーターをかって出てくれて、スタジアムシティを案内してくれた。
「フードコートやスーパーがあって、ここで何かを買って、スタジアムのシートで飲むことができるんですよ」
えっ? 商業施設とスタジアムがつながっているってこと?
つながっていた。スタジアムシティ内のフードコートから一歩外に出るとスタジアムのコンコース。そしてコンコースの下にはシートがあった。シートに座って飲食できるだけでなく、ピッチ近くまで降りていくことができるのだ。Kさんはいう。
「サッカーのマッチデーにはチケットコントロールがありますけど、バスケットだけの日は早めに来て、フードコートでなにかを買ってスタジアムの席で食べてからアリーナに行く。そういう楽しみ方もありますね」
ずんずん客席を降りていくと、もう目の前は緑のピッチ。季節が進めば、素晴らしい香りもするだろう。