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「オレが元祖AIです。フフフッ、くだらねえか」“AIアントニオ猪木”をどう受け止めるべきか…盟友アナが言った「猪木は心の中に棲んでいるからね」
text by

原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/02/24 11:00

ホログラムのアントニオ猪木にAI猪木の声が重なった。2月20日、京王プラザホテル
「猪木は心の中に棲んでいるからね」
AIそのものについては、さまざまな意見がある。AI猪木を体感した後、舟橋さんと感想をやり取りした。
「難しい判断だね。猪木は私たちの心の中に棲んでいるからね。あのAIはね、猪木さんが喋っているから感動的なんだけれど、みんなで考えた方がいいな。今回は猪木さんの生誕82年と、啓介さんの社長就任という席でのサプライズ、という特別な場だからね」(舟橋)
猪木が過去に残した声はあるけれども、生の声をもう聞けないのは事実だ。映画や音楽、他の分野でもAIは難しい問題を多く含んでいる。AI猪木に関しての良し悪しは、実際に見た人が判断すればいいと私は思う。新しいもの好きの猪木だったらきっと笑ってそう言うだろう。
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学習の結果、今後どういうものが出てくるか、どれだけのAI猪木ができてくるのか興味はある。AIは小説だって容易に書くだろう。すべての審判は歴史に委ねられることになる。今はそれぞれが感じたまま、思ったように言えばいいんじゃないかと思う。AI猪木を猪木だと思うか、猪木だとは思わないかは自由だ。私はAIもいいと思う。ダメだとは思っていない。AI猪木は時代が作り、作ろうとしているもので、それに猪木の名前がかぶさったものだと思っている。猪木は、すでに歴史上の人物だ。でも、これは猪木が人間に新たに投げかけた課題だ。
「一人一人に残っている猪木さんへの思いは全員違うんだからね。AIで猪木さんが出てきたことはうれしい。でも、美化することはしない。AIに関しては80代の人は少し考えればいいけれど、50代、60代やもっと若い人は真剣に考えなくてはいけないよ」(舟橋)
