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遠藤航らの招集は難しい?「OAなし」だった場合の18人とは? パリ五輪代表メンバー“最終予想”「大岩監督のマネジメントが問われる」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2024/07/02 17:04
オーバーエイジでのパリ五輪出場が見込まれていた遠藤航だが、一転して“招集断念”との報道も出てきている
荒木は攻撃で違いを生み出すことができ、FC東京への期限付き移籍で充実したシーズンを過ごしている。流れのなかでもリスタートでも、決め切る力を発揮しているのも頼もしい。久保建英(レアル・ソシエダ)の招集が叶わないなかで、荒木を外すことはできないだろう。
さらにもうひとり、佐野航大(NEC)をチョイスする。16人のフィールドプレーヤーで戦術的柔軟性を担保するためにも、中盤から攻撃のポジションまで網羅する彼をセレクトする。
遠藤の招集に至らなかった場合は、山本理仁(シント・トロイデン)を選ぶ。これまでの招集のなかで自身の存在価値を示しており、継続的に活動してきた彼のような選手がいることで、チームに芯が通るものだ。
FWにOAは不要? 得点源を託したい“ふたりの選手”
アタッカー陣は4-3-3のシステムを前提に、右ウイングに山田楓喜(東京ヴェルディ)、左ウイングに斉藤光毅(スパルタ)を選ぶ。両サイドに対応するタイプとして、平河悠(FC町田ゼルビア)もピックアップする。
U23アジアカップで優勝を決めるゴールを挙げた山田は、突破の局面で質的優位を発揮することができる。5月下旬から所属クラブでスタメンを外れる時期もあったが、徐々にプレータイムを伸ばしている。その縦突破とカットインシュートは、このチームに不可欠と言っていい。
斉藤は6月のアメリカ遠征で久しぶりに招集され、しっかりとしたパフォーマンスを見せた。山田と同じように縦突破とカットインシュートが期待でき、ワンプレーで試合の流れを変えることができる。グループステージで対戦するパラグアイ、マリ、イスラエルは、長身のCBを揃えている。斉藤のアジリティが生かされる場面があるはずだ。
平河も敏捷性に優れる。スピード豊かにゴールへ向かっていく彼の仕掛けが、グループステージで対戦する相手DFを翻弄する場面を想起できる。
前線は細谷真大(柏レイソル)と藤尾翔太(FC町田ゼルビア)のふたりだ。所属クラブでの彼らのパフォーマンスには、選ばれることへの納得感がある。「FWにオーバーエイジを」との意見も根強いが、このふたりに得点源としての仕事を託したい。
18人の顔触れがどのようになっても、勝ち上がっていくには全員の力が必要だ。五輪の過密日程では、プレータイムの長い選手はどうしても疲弊する。メダルに関わる準決勝や決勝(あるいは3位決定戦)で、主力が消耗しきっているような状況は避けたい。
どんな18人を選ぶのかはもちろん、18人をどうやって起用していくのか。大岩監督のマネジメントが問われていく。