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「これは一発回答では」パリ五輪の左WGは斉藤光毅で決定? “45分”で別格認定…三戸舜介とのコンビも良好「しゅんちゃんとは良い関係築けてる」
posted2024/06/18 11:01
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
AP/AFLO
今さら説明することでもないのだが、サッカーの試合はチームとしての勝敗はつくものの、個人の評価に直結するスポーツではない。採点競技ではないし、陸上や水泳のようにタイムがはっきり出るものでもなければ、柔道やレスリングのように強者と弱者がその場で明らかになるものでもない。
何が言いたいかといえば、サッカーのメンバー選考の行方を考えるのは簡単ではないということだ。
サッカーU-23日本代表は、6月上旬にアメリカ・カンザスシティで合宿を行った。大岩剛監督が率いるこのチームとしてはパリオリンピックに臨む18人を発表する前の活動であり、これ以降発表まで自チームの活動のない海外組にとっては最後のアピールチャンスとなった。
合宿最終日に行われたアメリカ戦、日本は2−0で勝利したが大岩監督はそもそも「この合宿に来られなかった選手にもチャンスはある」と明言しており、選考は最後の最後まで横一線であることを強調している。このチームでの活動以降、それぞれの所属チームでの活動を監督は視察し続けるそうだ。
記者を唸らす「これは一発回答では?」
とはいえ、どれほど指揮官が“選考中”であると言い張っても、素人目には明らかに突出して見える選手はいる。このアメリカ戦の場合、斉藤光毅がそれだった。ともに試合を観戦、取材した報道陣と「これは一発回答では?」と口を揃えるしかなかった。
斉藤はこの試合、4-3-3の左ウィングで出場。右サイドにはオランダ1部のスパルタ・ロッテルダムのチームメイト三戸舜介が入った。前半4分、相手GKが大きく蹴り出したボールを中盤で荒木遼太郎がヘディングでカットし、これを拾った斉藤がドリブルでボックスに侵入、右足クロスをあげる。中央には逆サイドから三戸が詰めていたが、三戸に届くことはなく寄せてきた相手DFブライアン・レイノルズの右手にあたり、PKに。これを藤尾翔太が落ち着いて決め、6分という早い時間帯の先制点となった。